ケムリが楽しそうなとき、自分も楽しいと感じる

令和ロマン 撮影/相馬太郎

――では、令和ロマンとして活動していて、楽しいと感じる瞬間はどんなときですか?

ケムリ:ラジオでおしゃべりしているときは楽しいですね。まじめな話が好きじゃないので、周りの先輩や同期のことをしゃべっている時間がいちばん楽しいです。

くるま僕は、この人(ケムリ)が楽しそうなときですね。

ケムリ:あ、本当?

くるま:楽しみでいうとそうかな。「令和ロマン」に関しては仕事なので、キャッキャするという意味での楽しいではないんですけど、“この人が楽しそうにしているということは、その場がうまくいっている”​ということなので。

ケムリ:じゃあ、やりがいがあることは?

くるま:それはもう漫才とか(別の仕事)になりますよね。『M-1』で“俺らがこういう漫才をしたら、世間がこうなる”とか、“取材でこんな発言をしたら、こんなふうに人が呼んでくれてこんな影響が出る”とか。反響を感じられるのは楽しいです。「楽しい」の意味合いが少し違うかもしれませんけど。

『M-1』敗者復活戦は人生トップレベルに楽しかった

――お話を聞いている感じ、コロナ禍以前に比べると少しクールになった印象ですが、『M-1』に対するモチベーションは、いまなお高い気がします。おふたりにとっても、それだけ特別な大会ということでしょうか?

くるま:実は僕は、旧M−1はまったく見ていなくて、『THE MANZAI』を軽く見ていたくらいです。ケムリさんもそんなに見ていなかったですよね。

ケムリ:うん、全然見てこなかった。

くるま:なので、芸人1年目のときは“よし、M-1だ!”とは全然思っていなかったです。でも、僕はずっとラグビーをやっていて、体育会的な発想で“大会は負けたくない”というこだわりがちょっとあったんです。なので1年目は、ラグビーをやっていたときと同じように、分析をして挑みました。

 例えば、3回戦の日程を調べて“ほとんどはルミネ(theよしもと)が会場になっているけど、ルミネに1年目が立つとナメられるから新宿FACEが会場になっている日にしよう”とか。しかも、その分析がうまくハマったので楽しかったです。

――そういった経験が、『M-1』に対するモチベーションを上げてくれた。

くるま:そうですね。しかも、あれよあれよと準々決勝まで行けて、落ちたかと思いきやワイルドカードで準決勝に行けました。で、準決の会場に行ったら、和牛の水田(信二)さん、かまいたちの山内(健司)さん、スーパーマラドーナの武智さんが、舞台袖のすごく細いすき間からお客さんを見ているんですよ。それを見た瞬間、「超カッコいい」と素直に思いました。

 1年目の芸人はなかなか見られない光景。“これが『M-1』に賭けている芸人の姿なんだ、本当の高みなんだ、プロフェッショナルの集いなんだ”と。と同時に、俺もこうなりたいと思い、2年目くらいからはそのつもりで臨んでいます。

高比良くるまさん 撮影/相馬太郎