目指すはトレンディエンジェルのたかしさん

――ちなみに、Podcast番組『令和ロマンのUBUGOE』で、次の『M-1』への前向きな言葉が交わされていましたよね。聴いていて、すごくワクワクしました。

ケムリへえ! 言ってたんだ。

――ケムリさんもお話ししていましたよ(笑)。

くるま:この人、ラジオとかで何を話したか、まったく覚えていないんですよ。「先週、こんな話したじゃん?」と言うと、思い出す時間が必要ですからね。僕が編集でその時間を全カットしているので、覚えているように聞こえるんですけど、全然ですね。

ケムリ:そうそう。なので「そんなこともあったかぁ」って感じです。

――ともあれ、2023年の『M-1』にかける思いや展望を伺いたいなと。

くるま:展望でいうと、“そのまま決勝に行けたらいいよね”という思いがあります。他の活動をしつつも、『M-1』にいちばんウェイトをかけたいです。自分の分析的にも、ここから頑張るのがいちばん効率いいんですよ、正直。

ケムリあぁ、そうだね。

くるま:準決勝まで進むと、立つ舞台が大きくなるんです。お客さんへの伝わり方も変わってくるので、慣れているかどうかが大きなポイントになるんです。どれだけネタを頑張っても、普段立っている舞台と本番の舞台の規模が明らかに違うと、MAXのパフォーマンスはできないものなんですよ。今年の僕らは各地の大きな舞台に立っていて、慣れたうえで『M-1』に臨める。だからこそ、“いま頑張ったほうがいいんだろうな、いまが頑張りどきだな”と思います。頑張る意味があるというか。

――では、このまま一気に突っ走ると。

くるま突っ走るというよりは、できるだけ普通に。『M-1』で勝つということを考えながら、ネタを作るようにしたいです。あと……ワンチャン優勝できるんじゃないかとも思うんですよ。

ケムリえっ!

くるま:……どうしたの突然。

ケムリいや、優勝するんだ、と思って。

くるま:僕らの実力とはまた違うところの、世の中の流れとかもあってだけどね。優勝できるとか言ったから、びっくりした?

ケムリ:びっくりした。本当になったらすごいよ。でかいでかい!

くるま:でかいでかい。アツイアツイ!

ケムリ:あっつーい。優勝だ!

――(笑)。先ほどのピースに続いて、カメラマンにもぜひ、そのガッツポーズを見せてください。

インタビュー中に全クリ(全部クリア)した松井さん 撮影/相馬太郎

ケムリ:「インタビュー中に全クリした松井」と、添えといてください。優勝と聞いて、芸人人生の全クリを予感していますと。

くるま:インタビュー中に写真撮られてるんじゃないよ! できるとしてもラッキー優勝ね。直近2年の優勝コンビの年齢的に、今回は若いコンビが来てもいいんじゃないかと思うし、吉本以外の事務所(の所属芸人の優勝)が続いているから、そろそろ吉本が来るかもと思うので。やらせではなく、そういう時代の流れってあるじゃないですか? これも踏まえて、ある程度は主人公然としてやっていいのかなと思っています。今年は。

――優勝すれば、1ステージあたりの単価(出演料)も上がるといいますし。

ケムリ:そうそう。

くるま:やっぱりね、ケムリさんにはトレンディエンジェルのたかしさんになってほしいから。芸人最強、関東芸人の夢と言われているたかしさんに。

ケムリ:マリオがスターを取った状態ね。

くるま:たかしさん、完璧なんだから! 週3ぐらい働いて。あとはずっと飲みに行っているんだから。しかもいつ飲んでも楽しいんですよ。時間がある分、さまざまなものを見ているからいろいろ知っているし、話も面白いし、いい人だし。最高の人間! だからあの人のようになってほしいのよ、あなたには。

ケムリ:いいねえ。

――多岐に渡りいろいろなお話を聞けました。最後に、2023年の『M-1』で優勝を狙うにあたり、ライバルになりそうだと感じるコンビはいますか? 例えば、ファイナリストとして一緒に名前が呼ばれたらヤバいと思うような。

くるまヨネダ2000です。ヨネダだけが最新のお笑いをやっていますから。もう全員ラボから出て来ちゃったんですけど、ヨネダはまだラボに居て、新しいお笑いを追求しています。大きなカプセルの中に入った愛ちゃんが、コポコポしているんで。本人たちはラボにいる自覚はないんですけどね。

 あとはもう、時代と審査員の温度次第です。時代が追いつかなかったらヨネダはまだ優勝しないですし、追いついたら優勝する。そういう大会になると思います。というか、優勝する可能性はだいぶ高いと思いますね。なので、時代がヨネダに追いついていないとき、俺らが優勝を狙いたいと思います。

令和ロマン 撮影/相馬太郎
まだまだ奥が深い令和ロマン 撮影/相馬太郎

(編集/本間美帆)


【PROFILE】
令和ロマン ◎NSC東京校23期生の高比良くるまと松井ケムリからなるコンビ。もともと「魔人無骨」というコンビ名で活動していたが、2019年5月、元号が変わると同時に「令和ロマン」に改名した。現在は、神保町よしもと漫才劇場に所属。同劇場を拠点に、首都圏近郊や関西、福岡など各地の劇場に出演している。『令和ロマンのご様子』『令和ロマンのUBUGOE』など、配信ラジオの活動も。YouTube→@official-reiwaroman