とにかくリアル! 圧倒的な解像度で描かれる、高校生活の人間模様

 そのひとつに、“高校生活のどこを切り取るのか”という視点の秀逸さと解像度の高さにある。

 高校生活といえば、例えば部活で育まれるアツい友情、10代ならではの青くて切ない恋愛など魅力的な瞬間がたくさんある、言うなればネタの宝庫だ。しかし、『スキップとローファー』が主題として描くのは、そんなキラキラした青春群像劇に留まらない。あくまでもクラスメートたちとの人間模様である

 新たに始まる高校生活。新生活に胸を躍らせ……と言いたいところだが、思い返してみてほしい。高校生活の始まりはそんなに期待だらけのものだっただろうか。連絡先を交換するにも相手の顔色を伺ったり、あるいは“誰と仲よくしたら今後の学校生活で得なのか”、“自分はこのクラスでどの位置にいるのか”と邪推してしまったり。そんなザラとした感情とともに高校生活をスタートさせた方も多いのではないだろうか

『スキップとローファー』ではそんなザラついた感情を、美津未だけではなく、クラスメート一人ひとりにフォーカスをあてて、圧倒的な解像度でどこまでも真摯(しんし)に丁寧に描く。

 例えば、美津未の後ろの席に座る江頭ミカ。一見、感じのいい子だが、美津未から声をかけられた際に見せる、あの一瞬で人を値踏みするような目……。そしてその後、美津未がクラスのイケメン男子・志摩聡介と交流があると知ると、態度を一変させて連絡先を交換しようと言い出す。ミカの行動は人知れず内に抱えているものがあってこそではあるが、『スキップとローファー』にはそんな思わず心がざらつくようなシーンが数多く登場する