「僕は変わりませんよ。変わるわけがない」
記念のコンサートにふさわしく、デビュー当時を振り返るひと幕も。
「昭和47年(1972年)の3月25日、『恋する季節』でデビューして、残念ながら新人賞はいただけませんでした……。でも、今から考えるとそれがすごくよかったんですね。“悔しいな” とか、まだ子どもだったので “芸能界やめようかな” と思いましたけど、“もう1年頑張るんだ” と頑張って『傷だらけのローラ』でレコード大賞の歌唱賞をいただきました。
本当にありがたいな、と正直思っています。ありがたいと思えば思うほど、これからもっと自分ができることは精いっぱいやっていきたい、そう思っています」
久しぶりに歌うという『遙かなる恋人へ』(1978年のシングル曲)から、せつない別れの瞬間をあざやかに切り取った『ラスト・シーン』へ。
『ブルー スカイ ブルー』はまさに名唱。ただでさえ壮大なスケールを感じさせるメロディーが、終盤のコーダの部分では秀樹さんの感情があふれ出すかのように絶妙にアッチュレランド(テンポがアップ)。それにバンド演奏が自在についていき、一体感が半端ない。
結婚を悲しむ熱心なファンを気遣ってか、「僕は変わりませんよ。変わるわけがない。だって歌が好きだもん。音楽が好きだもん」と慰める(?)場面もあり、後半の『バイラモス』『ギャランドゥ』『炎』『ブーメランストリート』と続くパートは聴きごたえたっぷり。