「最後は一緒に……」

 アンコールでは『俺たちの時代』『ホップ・ステップ・ジャンプ』と盛り上げていき、お待ちかねの『YOUNG MAN (Y.M.C.A.)』で興奮は最高潮に。

 秀樹さんは「さすがです、Cの字が1人も間違っていません!」と笑わせながら、心の底から楽しんでいる様子。

 そしてファンをいったん座らせて、あらためて感謝を述べる。

 「最初は自分がデビューして30年もやれるなんて、ちっとも思わなかったんです。結構いいかげんなところがあったと思うんですね。

 でも20代、30代、40代になっていくにつれて、思いやりとか責任感というものが自分の中でちょっとずつ生まれてきました。まだまだ頼りないところもあるかもしれませんが。これからも、恐れず前に向かって進んでいきたいなと思っています。30年間の思いを込めて……本当にありがとうございました」

2001年3月23日 撮影/高梨俊浩

 ダブルアンコールになって、最後の最後に選ばれた曲が『青春に賭けよう』。

 デビューから4枚目のシングルで、大きなヒットにこそならなかったが長年にわたりファンに愛され、秀樹さんも大切にしている曲だ(作詞・たかたかし/作曲・鈴木邦彦)。

 「最後は一緒に歌ってくれる?」と呼びかけて、

 《涙をふいて僕と 歩いていこうよ この道は戻れない 青春という季節》

 当時45歳の男盛りの秀樹さん、ホールを埋め尽くした東京厚生年金会館のお客さんはもちろん、スクリーンの映像を見つめるZEPP DiverCityのお客さんも総立ちになって歌声が重なり合い、時空を超えた一体感に包まれていた。