──ローソンはどうですか?

田中:検査や手術、治療に使うような医療品も多く取りそろえています。検査食ひとつ取っても、ドクターの指定などがあり、病院様の要望を1点、1点伺って必要なものを用意しています。また、お子様の多い病院の場合は、“絵本塔”という書店などに置かれているような絵本のラックや、玩具菓子も取り扱っています。このような品ぞろえは、院内店舗ならではだと思います。

ローソンの院内店舗には、医療材料や入院時に使用する紙製品など、病院ならではの商品が豊富に取りそろえられている 画像提供/株式会社ローソン

──院内ローソンは、小説など書籍の取り扱いも多いように思います。

田中雑誌・書籍コーナーも通常より拡大して、人気作家さんの小説を置いたり、雑誌や文庫をそろえたりと、病院にいらっしゃる方々のニーズに合わせた品ぞろえができるよう努めています。

営業時間を絞っても効率よい営業が可能。コロナ禍の影響は?

──病院自体は通常、午後や休日は休診のところもあります。その場合の営業はどうしていますか?

田中病院様と相談して決めています。公募の時点で24時間営業を希望していたら、診療時間外でも24時間営業をしています。その条件が必須ではない病院様の場合には、受付時間や職員の方がいらっしゃる時間に合わせて営業時間を決定しています。

知久:タリーズの場合は、病院によりけりですが、日曜など外来診療がないときは休んでいるケースが多いです

──通常の店舗よりも休みが多い分、収益減になってしまわないのでしょうか。

田中:院の場合は職員の方や患者様が一定数いらっしゃることもあり、営業時間を絞ってもしっかりと経営ができています。ご来店されるお客様ががっかりされないよう、ワークスケジュールを適切に組み、売り場を整えることを意識しています。

──コロナ禍の影響は強く受けましたか。

知久やはりコロナ禍においては、院内店舗は事業として非常に厳しかったです……。特に、お見舞いが規制されて大変でした。正直なところ、今でもまだ完全にコロナ禍前の状況には戻っていないので、苦しい一面もあります。しかし、病院は公共度が高いですから、一度出店したからには、効率や売り上げだけを求めるのではなく、病院側にもお客様にもきちんと対応しなければいけないと思っています。

田中:ローソンは、コロナ禍も通常どおりの営業を行っていましたが、外来患者様の制限でお客様が減り、売上への影響は大きなものがありました。手術数も制限されていたので、カテーテルのような医療品の売上にも影響がありました。

──院内店舗ならではの苦労や覚悟もあるのですね。

田中しかし、院内のインフラを担っているので、安易に“売り上げが落ちたからやめます”という判断はできません。ご来店されるお客様のためにできることを考え、今後も継続していくための工夫を続けています。

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 意外に知られていない院内店舗の実情。インタビュー第2弾では、ローソン、タリーズコーヒーが取り組んでいる社会貢献活動や、院内店舗の展開を通して実現したいことについてもお聞きしています。

(取材・文/池守りぜね 取材協力/タリーズコーヒージャパン株式会社・株式会社ローソン)