2023年6月現在、YouTubeのチャンネル登録者数93万人を誇るお笑い芸人・レインボー。テレビで活躍する先輩芸人を抑え、どんどんチャンネル登録者数を増やしている印象だ。

 そんなふたりがYouTubeを始めたのは、2018年の『おもしろ荘』(日本テレビ系)優勝後に起きた、“解散危機”がきっかけだそう。テレビやラジオでの出演機会も増加させているふたりに話を聞いた。

レインボーのおふたり。ジャンボたかおさん(左)、池田直人さん(右) 撮影/相馬太郎

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「もういいよ、解散しよう」の言葉がきっかけで、YouTubeを始動

──2018年11月からYouTubeにコントをアップし始めたおふたり。コロナ禍にYouTubeを始めた芸人さんは多い印象ですが、それよりも早くコンスタントに投稿していたのですね。きっかけはなんだったのでしょう?

ジャンボたかお(以下、ジャンボ):俺が腐ってて「もういいよ、解散しよう」ってなったときに、池ちゃんが提案してくれたんです。

──解散を考えるくらい追い込まれていたのは、なぜですか?

ジャンボ:『おもしろ荘』で優勝したのに売れず、『ネタパレ』(フジテレビ系)で第7世代ブームの枠に入れてもらったのに、四千頭身、EXIT、かが屋、宮下草薙、納言……がどんどん売れていく中で、俺らだけ売れなかったんです。

 そんな中、池田がInstagramで人気になって、一時期は池田のInstagramを見てライブに来る人が増えたんですね。そんなお客さんに、俺は悪態ついたりしちゃって。“お前ひとりで売れたいなら、ひとりでやりゃいいじゃん”って思っちゃったんですよね。

当時を振り返るジャンボたかおさん 撮影/相馬太郎

池田直人(以下、池田):あのときは“そんなに溜まってるなんて”って驚きました。僕としては、コンビのためを思って(ピンの活動を)頑張っている部分があったので、ジャンボにそういうふうに思わせてしまってたんやなって、そこで気づきましたね。

ジャンボ:あのときは、本当にオレがよくなかったよ。後輩に「レインボーさん、いまは仲いいですけど、あのときジャンボさんキレてましたよね」っていまだに言われるもん。

池田:でも、ほんまに気づかへんかったな。ただ、周りの先輩から「ジャンボ大丈夫か」って言われたり、鬼越トマホークさんから「お前らめっちゃ仲悪いんだろう」って言われたりはしていて。ジャンボの言葉を聞いたときに“あ、そうか、そういうことか”って納得したんですよね。だから、その日を機にInstagramの更新とか歌の活動はやめました。

ジャンボそのときに池田が「YouTubeやろう」って言ってくれたんです。それで途中から「コントあげへん?」って。

──それを聞いて、ジャンボさんはどう思ったのでしょう?

ジャンボ:最初は「え? めんどくせえじゃん」って。でも、それに対して池田が「ジャンボが日々、思っていることを全部YouTubeにぶつけたったらええねん」って言ってくれて。とりあえずやってみることにしました。

池田直人さん 撮影/相馬太郎

伸びなくても楽しい、YouTubeの活動がコンビ仲を保つ存在に

──実際に、コント動画をあげてみてどうでしたか?

ジャンボとにかく投稿しているだけで楽しかったです。全然、再生回数が伸びなくても。

池田:僕もですね。コントを投稿して、コメントを読むのだけで、すごく楽しかった。

ジャンボ:コメントに関しては、いまだに全部読んでますもん。それはすごいと思ってほしいからじゃなく、普通に見たいから見ちゃうんです。

──まだ再生回数が伸びないころに、本心では「これ、面白いのにな」と思っていた動画はありますか?

ジャンボ:『めちゃくちゃ下心があるのに紳士ぶる男』とか、めっちゃ面白いなと思っていたんですけど、500回再生くらいとかでした。(3時のヒロインの)福田麻貴さんとか「めっちゃおもろいな」って言ってくれたんですけどね。

池田:このころは、iPhoneだけで撮影してたよな。懐かしい。

レインボー 撮影/相馬太郎

──最初にバズったのはどれでしょう?

ジャンボ:『下心〜』の半年後に出した『家にまで来たのにその気がない女に説教する男』です。この1本で登録者数が10万人ぐらい増えました。

──お話しされていて、すごくYouTubeを楽しんでいらっしゃるんだなというのが伝わってきます。

池田:たしかに。2020年1月1日からは毎日投稿していますけど、やめたいって思ったことはないですね。

ジャンボ僕も、本当に楽しくて、マジで池田に感謝しました。なんだか“作ってもらえた遊び場がめちゃくちゃ楽しい場所だった”みたいな感覚。苦だと思ったことは、一度もないですし、最高っすね、まじで。

──YouTubeをきっかけに、コンビの仲は戻ったのでしょうか?

ジャンボ:そうですね。それまではネタを作るときに「なにがおもろいの?」ってもめてたこともあったのですが、毎日投稿するとなると相手のことを否定している時間もなく、“とりあえずやってみる”ことが増えて。それでやってみたら“あ、意外と面白いかも”と思えるようにもなって。もめなくなりましたね。

女装キャラがキレキレの池田さんとジャンボさんの素がやみつきになる 撮影/相馬太郎

コントの多彩なキャラたちは、街中で見つける

──コントチャンネルを見ていると、おふたりとも、さまざまなキャラクターになりきっていらっしゃる印象です。どんな方を参考にしてらっしゃるのでしょうか?

池田:街中で会った人が多いですかね。その人が許すんやったら、その人の前でちょっとやったりとか。

ジャンボ:俺は一人称を私にしているくらい、基本的にはそのままかもしれません。池田がしっかりと女子をやっているからこそ、俺が女装にこだわりすぎるのは違うのかなと思って、バランスを取っていて。

池田:ジャンボは、ジャンボの「個」が強いんで、わりとそのまんまよね。

ジャンボ:そうそう。「全然キャラ違う」って言われても、そうかな? と思っちゃいます。

──2020年1月1日から毎日コント動画を投稿していますが、ハイペースにキャラクターを考えるのは難しくないのでしょうか?

ジャンボ:わりと即興でやっているので、大変ってことはないですね。ただ、1日12本撮りすることもあるので、そういうときは泡吹いてぶっ倒れそうになります(笑)。

池田:(設定やセリフを)紙に書いたことすらないよな?

ジャンボ:そうだよね。設定を考えて、イメージを共有して「このセリフは言いたいから、これは言って」みたいな決め事はしていますけど、それぐらい。やってみて、イメージと違うときも正直あるんですけど、なんとなく続けてたら面白くなくなることもあるので、そういうところも面白いんですよね。

──そうなんですね。コント動画において、こういう部分は譲れないというポイントはありますか?

ジャンボ「あるある」って言われたくないなって思っています。僕らのコントって、実はあるあるなのは5本に1本くらいしかないんですよね。

池田:そうそう「そんなやつおらんやろ」って思ってもらえるのが、いちばん嬉しい。

レインボー 撮影/相馬太郎

さらに人気が加速するレインボーの最終的な目標は“テレビ”

──今年に入ってから、さらに勢いが加速している印象です。まずは、年始に放送されたラジオ「レインボーのオールナイトニッポン0」がTwitterでトレンド1位になりましたよね。

池田:めっちゃ嬉しかったです。終わったあと、トレンド1位になっていて。

ジャンボ:僕ら、トレンド入りしたことなかったんですよ。だから、すごく嬉しくて、牛丼食いながら、ずっとタイムライン見ちゃってたもん。

池田:めっちゃ嬉しかったのは、ラジオ好きの人があのラジオをきっかけにレインボーをフォローしてくれたり、面白がってくれたりして。

ジャンボ:たしかに! オールナイト好きの人たちに見てもらえたのは嬉しかったなぁ。

──そして3月にルミネtheよしもとで開催した2日間の単独ライブは即完売しましたね。

ジャンボ:そう! これも、実はかなり感動しましたね。

池田:チケットが売れていない(状況)でネタ作りを始めるよりも、“売れた! あとはもう作るだけや!”っていう心持ちでできるのが、すごく嬉しかったんです。

ジャンボ:実は以前、ルミネtheよしもと単独は断られたりもしてたんですよ。客席を埋められないんじゃないかって。それがすごくショックだったのですが、今回はパチンと完売して。今まででいちばんいい単独ができたって、ふたりの中でも自信にもなりました。

レインボー 撮影/相馬太郎

──今後おふたりが目指すところは、どこなのでしょうか?

ジャンボ:単純に、テレビにもっと出たいなと思います。『おもしろ荘』で優勝してから、ゆるやかに進んではいるものの、ドカンと上がっている間はないので。フジモンさんに以前お会いしたときに「お前らいつ売れんねん」って言われて、“本当ですよ”って思っちゃいましたから。

池田:ふたりともテレビが好きで、お笑い芸人を目指したのもあってテレビの存在は大きいですよね。僕の場合、小学校2年生のときに『(ダウンタウンの)ごっつええ感じ』のDVDとか、土曜日に『吉本新喜劇』を見ていて、小学生のときにお笑い部を作ったのが始まりでしたから。

ジャンボ:そうそう! 僕なんて小学生のころから、テレビ雑誌にマークをつけるくらいのテレビっ子だったんですよ。8歳のころには、誕生日に「ウッチャンナンチャンに会いに行きたい」って言ってましたから。

──そうなんですね。

ジャンボ:よく“YouTubeで跳ねたいんだ”と、思われがちですが、そうではなくて、めちゃくちゃテレビに出たいんですよ。バラエティーも出たいし、平場で戦えるんだっていうのを見せたいですね。

──おふたりが描く、理想の芸人像を教えてください。

ジャンボ:賞レースで優勝して、ラジオのレギュラー番組を始めて、単独ライブの全国ツアーをやる。それで50歳で一段落して、俺は飲食店を始めて、池田は健康ランドの経営をして、そこからは年に1回の単独ライブです!

──池田さん、健康ランドの経営には異論はないのでしょうか?

池田:はい。作りたいです!

──ファンの方が読んだら、いつの時期にインタビューしたかバレそうですね。ありがとうございました!

つらかった時期を振り返ると、途中、表情が曇る様子も見せたが、最後は笑顔が光るふたり。今後ますますテレビの露出が増えそうだ 撮影/相馬太郎

(取材・文/於ありさ、編集/本間美帆)


【PROFILE】
レインボー ◎NSC(吉本総合芸能学院)東京18期生のジャンボたかおと、池田直人からなるコンビ。2018年の『おもしろ荘』(日本テレビ系)で優勝を果たし、身の周りにいそうでいないクセの強いキャラクターを演じるコントが話題。YouTube『レインボーコントチャンネル』の登録者数は94万人を誇る。近年、ジャンボは俳優として、ドラマ『推しが武道館いってくれたら死ぬ』(ABCテレビ・テレビ朝日系)への出演、池田はコント内でしていたメイクを特技として生かしYouTubeの別アカウントで美容についての配信を行うなど、それぞれの活動も話題。YouTube→@rainbow_conte