廃校を利用した観光拠点「島のえき」も猫だらけ

 集落を抜けて山道に入ります。道はゆるやかな傾斜になっていて、運動不足の身では、ちょっと息切れがしてきます。でも、そんな疲れもふらっと出てくる猫の姿で一瞬のうちに吹き飛んでしまいます。

 上り坂が一段落し平らな道が続いた後、開けた空間が現れます。そこが廃校を利用した施設「島のえき」。建物を中心にざっと30匹以上いる猫たちの住処(すみか)です。もちろん「島のえき」なので食事、おみやげ、トイレなど観光客の拠点でもあります。若い猫たちは木によく登り、大人猫たちは集団でまったりしています。元学校らしく、猫の生徒であふれているといったところでしょうか。「島のえき」を後にして10分ほど先に進むと「猫神社」があります。

授業を聞いているような神妙な面持ちの「並ぶ猫」 撮影/南幅俊輔
ヘリポートがある島のえきで「駆け出す猫」 撮影/南幅俊輔
廃校跡地の校庭で遊ぶ「集団猫」 撮影/南幅俊輔
「仲良し猫」だからできるお互いに猫布団 撮影/南幅俊輔
野生に近い環境のおかげ?「木登り上手猫」 撮影/南幅俊輔
「集団猫」とはいえ1匹1匹それぞれに個性があります 撮影/南幅俊輔
田代島に代々、存在する「ロシアンブルー風の猫」 撮影/南幅俊輔
猫型バンガローがある宿泊施設「マンガアイランドの猫」 撮影/南幅俊輔

 いかがですか、まさに猫好きの聖地と言っていいほど猫三昧できる田代島。島に宿泊して早起きすれば、早朝港で漁師さんから魚をもらっている姿も目撃できるかも。ぜひ田代島を訪れてみてください。
 


《執筆者プロフィール》
南幅俊輔(みなみはば・しゅんすけ) 盛岡市生まれ。グラフィックデザイナー&写真家。デザイン事務所コイル代表。現在、デザイン以外にも撮影、編集、執筆を手がける。2009年より外で暮らす猫「ソトネコ」をテーマに本格的に撮影活動を開始。日本のソトネコや看板猫のほか、海外の猫の取材・撮影を行っている。著書に『ソトネコJAPAN』(洋泉社)、『ワル猫カレンダー』『ワル猫だもの』(マガジン・マガジン)、『踊るハシビロコウ』(ライブ・パブリッシング)、『ハシビロコウカレンダー』『ハシビロコウのふたば』(辰巳出版)など。企画・デザインでは、『美しすぎるネコ科図鑑』(小学館)、『ねこ検定』(ライブ・パブリッシング)『ハシビロコウのすべて』『ゴリラのすべて』(廣済堂出版)などがある。

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