500歩サッカーは1チーム5人で構成。プレーヤーはミズノが開発した専用アプリが搭載されたスマートフォンが入ったLEDポーチを着けてプレーします。

 このアプリには「500」と表示されたカウンターが付いており、1歩ごとに数字が1つ、激しい動きをすれば10歩分減っていき、持ち歩数が0になったプレーヤーは退場となります。ハンドなどのファウルをするとペナルティとして50歩ダウン。しかし3秒以上静止すると、1秒=1歩回復するという仕組みです。

 試合前にチームの代表者が足踏みをし、先に500歩終えたほうからキックオフしてスタート。歩数を表すポーチは背後に付いているため、自分からはどのぐらい歩いたかはわかりません。そのため、チーム内で事前に戦略を立てたり、プレー中に歩数を教え合ったりするのが要となるなど、コミュニケーション要素が求められます

 プレー時間は前・後半5分ずつを目安とし、コートの広さにも規定はありません。そのため、学校や商業施設、もしくは会議室といった場所で楽しむことができます。

試合は500歩のカウンターでスタート(上)し、歩数を重ねるたびに減っていく(下) 写真提供/ミズノ(上)、撮影/松平光冬(下)

 ミズノのライフ&ヘルス事業部 企画マーケティング部の渡邉萌さんによると、同社は2015年に『世界ゆるスポーツ協会』と組んで「ベビーバスケ」というゆるスポーツを開発した実績があり、500歩サッカーもその経緯から企画がスタートしたのだとか。

 「スポーツ弱者の方や、大人になって昔と比べて体力が落ちてしまった人などでも楽しめるものにしていきたいという(ゆるスポーツ協会の)考えに共感しました

 「社会人になってからプレーするのが難しいぐらいのハードなスポーツ」という観点からサッカーに絡めたスポーツを企画し、さらに「何に制限を設ければ、プレーヤーの運動強度(運動時にかかる負荷やキツさ)を落とせるか」検討した結果、“歩数”を制限するルールに行き着いたといいます。

 運動強度を落とすことで、性別や年齢、技量や体力の差の垣根を越えてサッカーが楽しめる。ゆるスポーツフェスでも、小学生の子ども連れの親やZ世代の若者、さらにはシニアの方など、幅広い年齢層の参加者が同じコートでプレーに興じていました。

年齢や性別問わず参加できるためバラエティに富んだチーム編成ができる 写真提供/ミズノ