10年かけて徒歩で沖縄本島を一周!?「フチ歩き」を通して新たに見えたものとは

──'22年6月にスタートした『ガレッジセール・ゴリのおきなわフチ歩き』(BSよしもと/琉球放送)は、ただただ「フチ」を歩くロケ番組です。シンプルながら、いろいろな発見がありそうですね。

「知らない風景や隠れた名所に出合いたくて、プライベートで進めるつもりだった企画なのですが、ありがたいことにテレビ番組になりました。フチを歩くことで気づく美しい景色ばかりですが、予想よりはるかに進まない。真っすぐ歩けばスムーズなんでしょうが、その何倍もかかるんですよ。沖縄一周を目指していて、4年くらいかかる見込みでしたが、“1年過ぎたけど、あと9年、合計10年かかりそう”と話しています(笑)

ロケに同行。真剣なまなざしをパシャリ! 撮影/小橋川恵里奈

──60歳になるまでかかるんですか!

「そうなんですよ。那覇空港から歩き始め、こんなにきれいな海があったんだと発見したり、寂れた港が目に留まったりと、絵になる風景がいっぱいあります。映画の撮影チームと一緒に“この場所いいね〜”と話しながら歩き、ロケ地候補を探しているつもりですが、“今度釣りに来られるね”と趣味目線で見ているスタッフもいます(笑)。歩けば歩くほど思い知るのは、沖縄はでかい! ということ。“小さな島にいるより東京に行きたいぜ〜”と言っていた、19歳の自分に説教したいです。

 この番組を通して、僕がそれまで知っていたのは沖縄の“表の顔”で、後頭部や耳の裏側など見ていない部分がたくさんあると気づきました。例えば、歩いている途中で『キノボリトカゲ』を見つけたとき、僕は『ワートゥーヤー』と呼びましたが、『アータクー』とか『グリーンバンバン』とか、他の呼び名があると知りました。確かに『二フェーデービル』(ありがとう)は宮古島や石垣島ではそれぞれ違う言葉になるし、調理や食べ方が地域によって違う食材もあって、いろいろですよね。“沖縄を舞台に何本も映画を撮っていますが、そんなに題材がありますか”と聞かれることもあるんですが、“探せばいっぱいあるんです”と答えたいです

逆光のまぶしさに耐えながらコメントを放つゴリさん 撮影/小橋川恵里奈