子どもには言葉よりハグ「人のせいにせず、自分で生きる人生であってほしい」
──子育て中の方に、ゴリさん式アドバイスをお願いします。
「親としていちばん大事にしたいのは、子どもに安心感を与える愛情。苦しいときや困ったときは絶対に守る、見捨てたりしないと伝えたら子どもは安心すると思うんです。そして自分で選択する人生であってほしいので、親目線での情報や経験談も伝えたいですね。子ども時代を思い返すと、勉強しなさいなど親に言われても理解できないじゃないですか。僕自身、親の言うことは聞かずに迷惑ばかりかけてきましたが、このままではいけないと気づいて塾に通い、高校に進学できたんです。親に何を言われても自分がその気にならないと行動しないことを、僕は誰よりも知っています。だから、“自分の人生は自分で生きろ、人のせいにするな”と子どもたちに話しています」
──勉強していい大学・いい会社に行ってほしいと、子どもについ高望みしてしまいがちですが、気をつけなければなりませんね。他に心がけていることはありますか?
「1の褒め言葉より10秒のハグと決め、子どもを抱きしめていました。僕は幼少期に大阪の親戚の家に預けられた時期があり、2か月に1回だけ会える母ちゃんにすごく甘えました。愛に飢えていた分、母親がいて食卓を囲む温かな家族への憧れがあり、そんな家庭を築きたいと思ってきました」
──プライベートの話までありがとうございます。仕事・沖縄・家族に対して、愛情あふれる熱い思いを聞かせていただきました。
「沖縄は常に新しい人材が出てきて店も増えているので、僕のYouTubeチャンネルの紹介動画は永遠に配信できると思います。自分は年齢的にもピークを過ぎた芸人だと思っているので、焦る気持ちはありません。笑いを取るより、みなさんをほっこりさせられる存在でいたいです。ファンレターをいただいたら、自分の知らないところで人のお役に立てているのだと実感でき、たまらなくうれしいです。人の役に立つのが仕事というものでしょうが、面と向かってお礼を言われる職業は少ないはず。僕の場合は、“ありがとう”と声をかけられる機会が多く、自分の子どもも仕事ぶりを見ているので、恵まれていて幸せだなと感じます。その気持ちを忘れないようにと、もうひとりの自分が常に僕に言い聞かせています」
(取材・文/饒波貴子、撮影/小橋川恵里奈、撮影協力/HAMBURGER CAFE & BAR BEACHBOYS)
【PROFILE】
ゴリ ◎お笑いタレント、俳優、映画監督。1972年5月22日生まれ、沖縄県出身。A型。1995年、川田広樹とともにお笑いコンビ『ガレッジセール』を結成。コンビでの活躍に加え、「ゴリエ」としても人気を博す。マルチな才能を発揮し、2006年には映画監督として『第8回ショートショートフィルムフェスティバル』話題賞を受賞。2009年には初の長編映画『南の島のフリムン』の監督・脚本を担当し、「沖縄国際映画祭」に出品された。また、本名の照屋年之名義で監督を務めた映画「洗骨」で、現役のお笑い芸人としては北野武以来となる「日本映画監督協会新人賞」を受賞。現在も各方面で活動しつつ、テレビ番組『ガレッジセール・ゴリのおきなわフチ歩き』(琉球放送)や『ぽかぽか』(フジテレビ系)に出演中。
ゴリと番組スタッフがノープランでひたすら沖縄の『フチ』を歩く! 知られていない地元の魅力を発見しながら沖縄本島一周を目指す、地元密着型の旅番組です。
◎琉球放送(RBC):毎週日曜日25時25分〜
◎BSよしもと:毎週金曜日24時00分〜
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ゴリ公式Twitter→@Teruyatoshiyuki
ゴリ公式YouTube「ゴリ★オキナワ」→https://www.youtube.com/@gori_okinawa