かつての大人気番組、『アメリカ横断ウルトラクイズ』(以下、ウルトラクイズ)。その第10回大会(1986年)で、決勝まで行かせていただいた私の体験から、テレビ放送ではわからない“罰ゲームの裏話”などについてもお話をしてきました。
〇伝説の『アメリカ横断ウルトラクイズ』、砂漠を歩いて帰るなど、罰ゲームの“裏側”
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〇伝説の番組『アメリカ横断ウルトラクイズ』に台本はあったのか!? 準優勝者が語る“撮影秘話”
今回は、数あるウルトラクイズの名物チェックポイントの中でも、特に人気が高い「突撃〇×泥んこクイズ」(以下、泥んこクイズ)について、テレビ放送ではカットされた“ちょっとマンガのような裏話”を、初めてお話しします。
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決勝の地、アメリカ本土へ行く前の最大の難関
ご存じの方も多いと思いますが「泥んこクイズ」とは、グアム島で行われることが多かったウルトラクイズの名物チェックポイント。
砂浜に〇と×が描かれた2枚の発泡スチロールの壁が設置され、チャレンジャーには〇×クイズが出題されます。“答えが〇だ”と思えば、〇の壁まで走って行ってそれを突き破り、正解ならマットの上に着地。
不正解ならスタッフが夜中に練り上げた、泥んこの中に落下するというルール。いわば、“〇×クイズと罰ゲームが一体になったチェックポイント”です。
この「泥んこクイズ」は視聴者だけでなく、チャレンジャーにも人気が高く、私が参加した第10回の参加者にも「泥んこクイズをやるのが夢だった」という方が何人もいました。
私自身も「ウルトラクイズで泥んこクイズをやる」というのが、夢のひとつだったのは間違いありません。しかし、決勝の地、ニューヨークを目指していた私にとっては、本土にたどり着く前の「最大の難関」でもあったのです。
宿泊先である「PIC(パシフィックアイランドクラブ)グアム」のビーチに設営された、おなじみのセットの前に集まったチャレンジャーは、全部で43人。出題・海外リポーターの福留功男さん(以下、留さん)が告げた通過人数は、28人でした。そう、ここで15人が敗退するわけです。
留さんのルール説明のあと、スタッフからは「頭から飛び込むと危険です。壁を破って、フワッと身体ごと着地するイメージでお願いします」と、チャレンジャーをビビらせる注意が。
それを聞きながら「あー、危険なんだぁ……。実際にやるとなるとちょっと怖いんだな……。でも、正解してマットに飛び込めばいいんだよね」と思う私。
本番がスタートすると、私はとにかく「こんなところで落ちたくない!」という思いが強すぎて、留さんと目が合わないようにチャレンジャーたちの後ろのほうを陣取りました。
なぜなら、ヘタに目が合うと「次、行くか!」と言われてしまうから。テンションがMAXになったときに、自分のタイミングで挑戦したかったのです。