ある日のこと。くまモンは情報収集のため雑誌に目を通していた。
「ばっっっっ!」
いきなり叫んで立ち上がるくまモン、驚くくまモン隊。
「どうしたの、くまモン」
「これば見てほしかモン」
そこには“第35回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト応募受付スタート”の文字が。「君もジュノンボーイにならないか」のひと言に激しく反応するくまモン。
「なる、なるモン。ボク、きっと優勝できるモン。すぐに応募するモン!」
優勝しかありえない!? さっそくトレーニング開始
くまモンはさっそくパソコンに向かい、ウェブエントリーシートに打ち込み始めた。
「優勝したら、映画に出られるかモン? それとも、モデルのほうが向いてるかモン?」
誕生祭ではレッドカーペットでモデルウォークし、ターンも決めたくまモン。いいかも……。
「でも、やっぱり俳優さんがよかかモン? ハリウッドに行くか、フランス映画に出るか悩むモン・・・」
すでに頭のなかでは、優勝後の青写真があれこれ浮かんでいるようだ。
「くまモン、エントリーシートの書き方、間違ってるよ」
指摘されてハッとわれに返る。
「写真が必要だモン。イケメソな衣装に着替えてくるモン!」
早々とスーツに着替え、「ちょっと待ってほしかモン」と鏡に向かう。
「少しお肌が荒れているかモン? パックばするモン。お顔のマッサージをして、毛並みも整えないといかんモン」
ひとりごとをつぶやきながら、あれこれ身だしなみを整えて撮影に挑む。
「ボクは足の長さがチャームポイントだモン」
「小顔すぎて、むしろバランスが悪かモン?」
応募に必要な、全身写真とバストアップ写真を無事に撮り終えた。
「もうちょっと、シュッと見えたほうがよかかモン?」
瞬時にして細身になるが、細すぎるかもしれないと思い直す。
「むしゃんよか男は、バラをくわえているモン」
どこから調達したのか、真っ赤なバラを手にポーズを決める。
写真を撮り終え、無事にエントリーは完了した。
気持ちはすでに「ファイナリスト」なのだが、くまモンはさっそく、さらなる「イケメソへの努力」を始めた。まずは、エントリーした勢いでそのまま筋トレに向かう。
続いてお肌の手入れにいそしみ、鏡をのぞき込んで笑顔の練習も。
努力はそのあとも毎日、続けていた。
「教養も身につけるモン」
というわけで読書にもいそしんだ(が、すぐに寝落ちしていた・・・らしい)。
書類審査の結果は!? イケメソへの道は開かれるのか
まずはBEST1000に選ばれるかどうかが最初のハードル。ところがくまモン、まったくその日程を気にしていない。
「ねえ、くまモン。BEST1000が決まる書類審査のこと、覚えてる?」
くまモン隊が聞いても上の空。
「また殺陣の先生のところに習いに行ったほうがよかかモン?」
今年の誕生祭のステージで見事な殺陣を披露したくまモン。もしかして、アクション映画とか時代劇からのお誘いを期待している?
「いや、それはBEST1000に選ばれてから考えようね」
そして、運命の4月下旬。BEST1000に選ばれると、その証にJUNON編集部から、「ヘキサゴンピース」なるものが届くという。
はたしてくまモンのもとには……。
「わー、ピースが届いた~」
ホッとするくまモン隊。
「ほら、くまモン。BEST1000に選ばれたよ」
「当然かモン?」
落ち着きはらっているくまモン。
「ボク、筋トレしてくるモン」
広い背中を見せながら、くまモンは悠々と歩いていった。
次は5月下旬に東京予選がある。もちろん、くまモンは東京予選も突破するつもりでいる。
──今の意気込みを教えてください。
「ジュノンボーイになって、本物のイケメソになるモン!」
挑戦は始まったばかり。くまモンは、ジュノンボーイの座を勝ち取ることができるのだろうか。
(取材・文/亀山早苗)