4月。多くの社会人1年生が、人生の新たなステージに立ったことと思います。
これまでの学生時代は、お金を払って学んできました。それが、これからは、自分の時間を切り売りしてお金をもらうわけで、180度、立場が逆転したことになります。
正直、理不尽なこともあるし、納得できないこともあるのが実社会。だからこそ、自分というものをしっかりと持っていたい。
そこで今回は、カリスマと呼ばれる経営者の方たちの名言の中から、特に、新卒として社会に出た方たちに贈りたい言葉をセレクトしてみました。
人間関係で悩まないための名言
会社に入って、多くの新卒社員が悩むのは、仕事の内容よりも人間関係ではないでしょうか? そこでまず、職場の人間関係に関する名言。
「一緒に働く人たちを好きになることは本当に重要だ。そうでなければ、人生と仕事はひどく悲惨なものになるだろう」(イーロン・マスク/テスラとスペースXのCEOを務めるアメリカの実業家)
人間関係を円滑にするための基本は、相手を認めることです。
厳しい先輩も、「自分を育ててくれようとしているんだな」と考える。余裕のない上司だって、「中間管理職で上からも下からも責められて大変なんだろうな」くらいに考えて、「ウソでも好きになる」ようにすれば、人間関係で無駄に悩まなくて済みます。
また、人間関係において大切なのは、相手に対する誠実さです。
「誠実さが、聞き手と話し手を結びつける」(稲盛和夫/京セラ、KDDI創業者)
特に新卒は、「素直さが武器」だと思いましょう。自分の意見を主張するのは、入社した会社の仕事について、もう少し理解が深まってからでも遅くはありません。
ときには、上司から無理な仕事を振られて頭にくることもあるかもしれません。そんなときは、次の名言を思い出してみてはいかがでしょう。
「怒るのは自分の知恵の足りなさを認めるようなものです」(孫正義/ソフトバンクグループの創業者)
無理な仕事を振られたときこそ、知恵を使って、一見、楽勝であるかのようにこなすことができれば、まわりの先輩も上司も「おっ、コイツやるな」って思ってくれます。
ミスしたときに思い出したい名言
新人にミスはつきものです。大切なのは、ミスをしたときに、ヘタに言い訳をしないことです。
「間違えた時、虚勢をはりますか? それとも素直に謝りますか?」(ジェフ・べゾス/アメリカの実業家 アマゾンの共同創設者)
ミスしたときこそ、素直さを武器にしましょう。そして、もう1つ大切なこと。
「成功を祝うのはいいが、もっと大切なのは失敗から学ぶことだ」(ビル・ゲイツ/アメリカの実業家 マイクロソフトの共同創業者)
この姿勢がないと、同じミスを繰り返します。たとえ新人でも、同じ失敗を繰り返していると、誰からも相手にされなくなります。
もちろん、失敗を恐れるあまり仕事が遅くなってはいけません。
「完璧であることより、まず終わらせることが重要だ」(マーク・ザッカーバーグ/アメリカの実業家 フェイスブック【現Meta】の創業者)
仕事は「スピード」がすべてを凌駕(りょうが)します。極端に言えば、「完成度が6割で納期通り提出された仕事」と、「完成度10割で納期を過ぎて提出された仕事」では、前者のほうが評価されると覚えておきましょう。
最後に、つい、デキのよい同期の社員と、ミスの多い自分を比べて落ち込んでしまうような方へ。かつて、「経営の神様」とまで呼ばれたカリスマ経営者の言葉です。
「人と比較をして劣っているといっても、決して恥ずることではない。けれども、去年の自分と今年の自分とを比較して、もしも今年が劣っているとしたら、それこそ恥ずべきことである」(松下幸之助/現在のパナソニックの創業者)
仕事に限らず、何についても、他人と自分を比較することには何の意味もありません。
さらに、「比較すべきは、過去の自分」だということです。過去の自分と比べることで、自分の成長度合いがわかります。
カリスマ経営者たちの名言、いかがでしたか。
社会という荒波に船出するうえでの羅針盤として、少しでも役立てていただければ幸いです。
(文/西沢泰生)