ごきょうだいの関係性のゆきつく先とは

 '19年、新天皇が即位されて、時代は「令和」を迎えた。御代替わりに伴い、秋篠宮さまは皇太子待遇の皇嗣となった。今上陛下は、のちに秋篠宮さまが「立皇嗣宣言の儀」で述べられた言葉を「心強く聞きました」と会見で語られた

 今後も陛下と秋篠宮皇嗣の二者会談は継続されるのかが注目されたが、いまだ実現はされていない。その理由について宮内庁のOBは、

「陛下は即位関連行事でお忙しい日々を送られており、秋篠宮皇嗣殿下も『立皇嗣の礼』の儀式のご準備がおありになった。会談とは言わないまでも儀式のご確認などで、お話をなさる機会はあったそうです」

 と話す。

 台風などの自然災害や新型コロナウイルスの影響で、両陛下の祝賀パレードをはじめ、秋篠宮さまが皇嗣となったことを内外に示す「立皇嗣の礼」も延期の末、祝宴は簡素化されて行われた。

 皇室の公務は全体的に減り、現地とオンラインを結んでの“オンライン公務”が行われるようになった。両陛下はオンラインで医療従事者や高齢者や障がい者の仕事や活動の場などをご覧になり、現場の声に耳を傾けられた。

宮城県で行われた『第40回全国豊かな海づくり大会』にオンラインでご臨席された天皇・皇后両陛下(2021年10月)

 陛下と秋篠宮さまは、新型コロナウイルスに関するご進講をたびたび受けられた。専門家から話を聞かれて、ご自分たちでも海外の感染者数の広がり方やワクチンのことなどをお調べになったと言われている。

 両陛下がお住まいになっていた赤坂御用地内にある赤坂御所と秋篠宮皇嗣邸のパソコンもオンラインでつながれて、適切に情報を共有なさってこられたという。

 秋篠宮ご一家は、昨年5月、病院で不足しているといわれた医療用ガウンをご家族で手作りなさって、現場に届けられた。秋篠宮さまは、ガウンのアイデアを実行なさることも陛下にお話になったと言われた。

 晴れて眞子さまがご結婚をなさり、新型コロナウイルスによる感染も終息すれば、陛下と秋篠宮さまの円滑な意思疎通は今後、より図られることだろう。ご性格の違いがあるからこそ、合致したときの令和の皇室像は、確固なものになるのではないだろうか。

(取材・文/友納尚子)