発声練習のポイントは正しい姿勢と腹式呼吸

 年齢を感じさせない若々しい声を手に入れるには、基本の発声が肝心。

「ポイントを押さえて発声練習を続けるだけで、声の響きが変わります。重要なのは“姿勢”と“呼吸”。まず、肩幅程度に足を開き、背筋を伸ばして立ちます(座りの場合は座骨を立てる)。顔は正面を向き、目線はやや上向きに。顎は突き出さないようにしましょう。肩の力を抜き、上半身をリラックスさせたら準備完了です

 呼吸は“腹式呼吸”を意識する。

「腹式呼吸は息を吸ったときに横隔膜を下げてお腹をふくらませるので、たくさんの空気が吸えます。腹式呼吸は自律神経を整えてくれるので、ストレス発散にもつながります。音読や発声だけでもメリットがありますが、あわせてスクワットなどで身体を鍛えると、よりパワフルな声が出るようになります

 姿勢と呼吸を整えたら、いざ実践!

 まずは、声に出して下の「あいうえお交錯表」を読んでみよう。

「あいうえお交錯表」
あいうえお
いうえおあ
うえおあい
えおあいう
おあいうえ
  ↓
かきくけこ
きくけこか
くけこかき
けこかきく
こかきくけ
  ↓
以降、サ行〜ラ行まですべて練習を

「安定した声量で1ブロックをひと息で読み切りましょう。ア行がひと息で言えるようになったら、続けてカ行、サ行とブロックを増やしていきます。口を大きく動かすので、頬の筋肉と舌の体操にもなります」

 頬のリフトアップと嚥下(えんげ)機能の向上にも効果的な練習方法で、ウォーミングアップに最適。

 そして、音読をするときは「作品の世界をイメージするのがコツ」と、寺田さん。

「1回目は内容を把握するために棒読みでもOK。2回目は、その文章から得た情景や、セリフを言っている人物をイメージして音読しましょう。さらに“なぜ自分がそう表現したのか”まで考えると、脳の刺激になりますよ」

 作品を選ぶときは、“自分が気持ちよくなれる文章”を選ぶのがポイント。

「言い回しが独特な歌舞伎の名ゼリフやニュース記事など、なりきって読むと違う自分になれておもしろいですよ」

 楽しむのが継続のコツ、と寺田さん。さっそく音読を始めて、いつまでも若々しい声を保ちましょう。

声は意識して発声しないと、どんどん低くなっていき、いわゆる“おば声”を招くと語る寺田さん

(取材・文/大貫未来(清談社))

《PROFILE》
寺田理恵子 ◎東京都出身。元フジテレビアナウンサー。現在は朗読教室・アナウンススクールで講師を務めるかたわら認知症サポーターとして朗読ボランティアなども行う。近著に『「毎日音読」で人生を変える』(さくら舎)。