どの会場でも全力投球する姿を前に、「くま切れ状態」から回復

 前述のわくわく座では、熊本城おもてなし武将隊ともコラボ。くまモンも演舞に参加、さらに武将隊をいじりまくって場内は爆笑となった。普段はかっこよさを売り物にしているため、あまり笑わない武将隊も、くまモンが相手となると気が緩むのか、つい素が出て大笑いする場面も。くまモンの力、おそるべし。

武将隊、笑みをこらえきれず…… 撮影/亀山早苗

 くまモンビレッジでもくまモンは大活躍。ここはくまモンのベースキャンプとなっており、くまモンが県内で集めた「宝物」を紹介してくれる場。ここでの定番衣装も「むしゃんよか」なものとなっている。

※「むしゃんよか」……熊本弁で「かっこいい」「すてき」の意。

お友だちと一緒にパシャリ♪ 撮影/亀山早苗

 そして、くまモンスクエア。当日は例年のごとく、くまモンにケーキのプレゼントがあった。ケーキを見るなり、よだれを拭うくまモン。なんと、今年はシャンパンタワーならぬ「デコポンジュースタワー」も。

あふれるシャンパンならぬデコポンジュースに歓喜! 撮影/亀山早苗

さらに、スクエア前の通路に緋毛氈(ひもうせん)を敷いてランウェイとし、スクエア内から外を一周するファッションショーが繰り広げられた。歩き方もモデルばりで、ファンの声援に応えながら楽しそうだった。

 新型コロナの影響で、いまだに、くまモンとはハイタッチもハグもできない。飛沫防止のため、声援も送れない。それでも「近くでくまモンを見られた」だけで3年間の「くま切れ状態」を満たされたファンも多かったのではないだろうか

ファンが熱狂的に見守る中、堂々とモデル歩きを披露するくまモン 撮影/亀山早苗

 この誕生祭を開催する上では、あらゆる関係者の並々ならぬ努力と苦労があったのだろうと推察できる。

 そして……くまモン本人は、この誕生祭を楽しんだだろうか。いつだってみんなの笑顔を楽しみにしているくまモンだが、くまモン本人にも楽しんでほしいというのが、ファンの切なる気持ちでもある。

 それにしても、くまモンはさまざまな魅力を武器にして、これからも熊本で、日本で、世界で、ますます人気者になっていくに違いない。くまモンが世界を席巻する日がまた近づいている。

(取材・文/亀山早苗)