「適当×まじめ」、自分が飽きないためのお店作り
まんぞく弁当の特徴は、安くて、ボリュームたっぷりなところです。
ですが、そんな“デカ盛り店”というイメージとは裏腹に、湯浅さんの緻密な計算が隠されていました。
「デカ盛りのお店だと、ガーッていっぱい作って、目分量でざっくりと盛っているイメージがあると思うんですけど、まんぞく弁当の場合、ご飯の量やひとつの弁当に入れるおかず類の個数は全部決まっていて、“今日は〇〇弁当を〇個出す”ってなったら、それピッタリになるように作っているんですよね」
実際に筆者が裏の厨房を見せてもらったときには、余りや作り置きの料理は一切なく、きれいに片づけられていました。
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「デカ盛りの豪快なイメージって、なんだか楽しそうじゃないですか。楽しいのが好きなので、イメージ戦略ではないですけど、一種の演出みたいにはしていますね」
そのほかにも、「今のラインナップで最善はなんだろう」と考え続け、オープンしてからメニューを常に変化させてきました。また、「明日からカレー屋さんに替えたい!」と思えば実現できるように、店内のレイアウトを自由自在に変えられる設計にするなど、すぐに飽きてしまう性分だからこそ「自分が飽きないように」「お店を続けるモチベーションを常に高く維持できるように」と意識しているそうです。
優しい笑顔でありながら、経営者としての実力が感じられました。
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先はわかならいけれど「とにかく楽しいことやりたい」
「適当にやればいいんですけど、なんか、まじめにやっちゃうんですよね。個人事業主なんで“まったり働こう”って思っていたんですけど、結局、朝4時に起きてほぼ毎日、弁当を作っているし、奥さんにも“前より休みないけど?”って言われて、確かになぁって思いました(笑)」
常に仕事を考えて動いている湯浅さん。そんな湯浅さんに、まんぞく弁当の展望を聞くと、
「とにかく楽しいことをやりたいんですよね。だから、3年後には何をやってるか、わからないです。もしかしたら店をぶっ壊しているかもしれません(笑)。でも、面白ければ何でもアリです。ただ慢心はせずに、これからも地域のみなさんに愛される、楽しい店作りをずっと追求していければと思ってます」
楽しいお店のイメージと、湯浅さんの絶妙な経営手腕で、まんぞく弁当はさらに進化を続けます。
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(取材・文/翌檜佑哉)