黒沢久美子店長にインタビュー

“うちの子”以外のふれあいを楽しみに来る人も

──こういう“鳥さんとのふれあい”に特化したスタイルのカフェは、珍しいですよね?

「おそらく当店以外、他にはないと思います。他の鳥カフェは、鳥さんを眺めながらお茶を飲むスタイルが多いですよね。

 家では鳥を飼えない方もご来店されますし、逆に飼っていても、おうちにいる子とは違う鳥さんとふれあって、“やっぱりうちの子が一番かわいい”と思うのが楽しいという方もいらっしゃいます(笑)

鳥のいるカフェ 千駄木店店長の黒沢久美子さん 撮影/北村史成

──かわいい妻がいながら、キャバクラに行ってしまう男性の心理に似ていますね(笑)。正直言うと、「フリータイム制で大人1650円」という価格設定で、これだけたくさんの鳥さんたちに手厚いお世話をしながら採算をとるのは、難しいことだと思ったのですが、ここにいる子たちは販売されているということで、納得しました。だいたい月に何羽くらいお迎えがあるのですか?

多い時で20羽前後、お迎えがあります。当店では、お客様がお迎えするときに、1時間ほどその子の性格やおうちでの過ごし方のアドバイスなどをレクチャーさせていただいています。そのほかにも、購入前のご相談から、お迎え後の飼育に関するご質問に関しても、LINEでのサポートをさせていただいています。

 それもあってか、一度、お迎えただいた方がさらに2羽目、3羽目をお迎えしたいと、リピーターになっていただくことも多いです

──シビアな話になりますが、売れ残った鳥さんはどうなるのですか?

「ほぼほぼみんなお迎えが決まるのですが、そうでなくても、『ふれあいルーム』でずっと大切に育て続けます」

──「鳥さんにとっての幸せな道」がいろいろと用意されているのは、安心できます。

ふれあいルームでのびのび暮らしながら、鳥さんたちはお迎えを待っている 撮影/北村史成