鳥さんにも飼い主にとっても、最適な環境

──ここの鳥さんはかなり人懐っこいのですが、どうしてでしょうか?

「ヒナのさし餌のときから、人が手をかけて育てていますし、ひとりでも食べられる状態になってからお店に来た子でも、毎日、人とふれあうので、“人間とのスキンシップ”がとれているんです。

 しかも、ここは“鳥さん中心の環境”にしているので、鳥さんにとっては、自分のタイミングで人間に遊んでもらえるので、ストレスがたまりません

取材時、ちょうどインコのヒナたちがお店にやってきたばかり。ほわほわの姿にキュン 撮影/北村史成

──飼い主にとっても、この環境で育った“人間が大好きな鳥さん”をお迎えできるので、共同生活がしやすいでしょうね。最近は、鳥さんをお迎えしたけど、「思ったのと違った」といって捨ててしまう飼い主がいるというニュースを見ては、心が痛みます。すぐに飼う前に、まずはここで体験していただくといいかもしれませんね。

お迎えしたいけど、実際に鳥さんを飼えるかな? という人は、このお店でリアルに鳥さんとふれあうことによって、『お迎えをしたら、家ではこういう感じなんだ』というイメージができます。それで飼うかどうかの判断がしやすくなると思います

気になる鳥さんとの相性がいいか、ふれあうことでわかる 撮影/北村史成

──「人間に慣れた鳥さん」と「鳥さんを理解できている飼い主」。このお店が中間に入ることで、飼い主と鳥さんがいい関係を作りやすくなっているように感じます。ちなみに、黒沢店長にとっての「鳥の推しのポイント」は何ですか?

この仕事に就いたとき、『鳥って、こんなに頭がいいんだ』と感心しました。とにかく人間を観察して、しっかり自分をアピールします。感情表現が豊かなので元気をもらえるし、こっちの気持ちを汲んで寄り添ってくれます。

 鳥さんとともに生活をすると、鳥さんがだいたい同じ時間に起きるので、生活リズムが安定するし、鳥さん中心の会話になるので、家の中で人間同士が喧嘩をしなくなりました。実は、自宅には、シロハラインコ、ズグロシロハラインコ、フクロウがいるんです

店内入ってすぐのところにはフクロウが。1回300円で餌やり体験(数量限定)ができる 撮影/北村史成

──お店でもご自宅でも、鳥さんのお世話をしているんですね!(驚)

家に帰っても、ずっと鳥さんがいる生活です。シロハラインコは“空飛ぶ犬”と言われていて、コロコロ遊んで、ずっと人間のそばにいたがるので、かわいいです

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 鳥さんは、鳥かご(ケージ)でおとなしくしているものだと勘違いされがちですが、実際は、知性があって、人と意思疎通がとれる感情豊かな動物です。

 興味のある方は、ぜひ『鳥のいるカフェ 千駄木』に行って、ふれあってみてはいかがでしょうか? 鳥さんの概念が変わりますよ!

お店のエントランス部分にも販売中の鳥さんたちがたくさん 撮影/北村史成

(取材・文/加藤弓子)

●鳥のいるカフェ 千駄木店
営業時間:午後1時~午後8時(土日祝は、午前11時~)
所在地:東京都文京区千駄木3-42-16 1F
料金:フリータイム(大人)1650円、(子ども/4~6歳)820円 ※0~3歳は無料
※混雑時は1時間制、貸し出し用ポンチョあり(無料)

ホームページ:https://toricafe.co.jp/sendagi