上司から受けた言葉を、どうとらえるかが大事
斉藤さんの場合は、私とは異なり、辞令の打診ではありませんでしたが、「ある日の朝、上司に会議室に呼び出されて告げられたひと言」で、人生が変わった点は同じ。
さらにもう1人、私の知人にも、ずっと総務で働いていたのに、会社の業績不振によって、いきなり営業部門への異動を命じられ、心機一転、ものすごく売れる営業マンになった人がいます。
総務時代に、周りへの気配りをしっかり身につけていて、社内にも「困ったときには頼ってね」と言ってくれる人脈を築いていたことから、動きが早くて「お客様のかゆいところに手が届く営業マン」に大変身を遂げたのです。
このように、ある日の朝に呼び出されて、突然、上司から告げられたひと言が、単なる仕事の変化を超えて、人生の転機になるということ。実は、わりとよくあるのです。
ちなみに、「私なんかに務まるの?」と思った社長秘書の仕事は、とんでもなく忙しかったものの、やりがいがあって、会社からの抜てきに感謝する日々でした。
あなたも、もし、ある日の朝、上司から「青天の霹靂」のひと言をもらったら……。それが、どんなに意外な言葉だとしても、頭から否定して断ってしまうのは、ちょっと早計かもしれません。
もしかしたら上司は、あなた自身が気づいていない、あなたの資質に気がついて、すすめてくれているのかもしれないのです。ですから、「もしかすると、これは人生の転機かも」なんて考えてみてもよいと思います。
(文/西沢泰生)