ダウンタウン浜田雅功がファッションリーダーだったあの頃

──こちらの『COOL TRANS』創刊号(95年11月号/ワニブックス刊)は浜田雅功さんが表紙を飾ってますね。当時は小室哲哉さんとのユニット「H Jungle with t」として音楽シーンも席巻していました。

「『COOL TRANS』はいろいろなスニーカーがカタログ的に載ってるので、今の若者にはウケますね。90年代のスニーカーが今のブームに与えている影響は大きいから、資料として買ってくれます。この浜田さんは今見てもいいモノを着こなしてますよ。昔に比べてビンテージのデニムは値が上がってますし

『COOL TRANS』95年11月号(ワニブックス刊)

──浜田さんの古着ファッションに影響を受けた層は「ハマダー」なんて呼ばれてましたね。ここでは「カガミで自分、見直してみい!」とちょっとキツメなことを言ってますが。

「本当に現場でこんなトーンで言ってたかどうかはわかりませんが(笑)。でも今の若者はきっとハマダーなんて言葉を知らないでしょうね」

エアマックス95の人気は令和も健在!

──それにしても、当時のスニーカーブームは異常なほど加熱してましたよね。

エアマックス95の定価は1万5000円でしたが、ほんの数か月でプレミアがついて、3万円から5万円、最終的には20万円にまでなりました。発売当時は普通にスポーツ用品店で売ってたのに、雑誌で取り上げられてからはどこに行っても買えなくて。仕入れるためにアメリカまで行って、現地で履いている人から売ってもらうという話も聞きました(笑)。今、復刻されるスニーカーはこの時代に人気だったモデルが多いので、そのルーツを知るという意味で興味を持ってくれる若者もいます」

社会現象を巻き起こしたエアマックス95。『asayan』95年9月号(ぶんか社刊)

──エアマックス95以外だと、同じくナイキのジョーダンシリーズも根強い人気ですね。

「『エアジョーダン1』とか『ダンク』は常に人気のモデルですね。復刻版でも以前より値段が高くなっていて、まだまだ人気は衰え知らずです。ただ、スニーカーは必ずと言っていいほど加水分解しちゃうんですよ。時間がたつとソールのポリウレタンがボロボロになって、僕も100足はダメにしました(笑)

──私も先日、ひさびさに引っ張り出して履いたスニーカーがまさにそれで。自転車に乗っていたら、なんか足元が重く感じたので、見たらソールがべろりと剥がれていて。

「いずれ加水分解することはわかっていても、実際に起きるとショックで泣く泣く捨てるハメになるという。あと、ジョーダンシリーズや『エアフォース1』も内部のエアがなくなるので、履き心地が悪くなってきますね」

──当時はダサいとされていたスニーカーが、復刻でイケてるモデルとしてリバイバルするパターンもありますよね。サイドに「AIR」とデカデカと入ったナイキの「エア モア アップテンポ」は当時の雑誌で酷評されてたけど、今は普通におしゃれなスニーカーとして認識されています。

「エア モア アップテンポは『シュプリーム』とコラボしたモデルも出たし、今の若者も普通に履いてる人気モデルですよね」

AIRの文字が大きく入った「エア モア アップテンポ」や「エア マッチ アップテンポ(写真)」は当時、ダサいと評されていた。『COOL TRANS』97年4月号(ワニブックス刊)