国際食品規格で定められた乳酸菌でないと、ヨーグルトと名乗ることができない?
──「LB81」には何か意味があるんだろうなとは思っていたのですが、やっぱり意味があるんですね。
田中「はい。ちゃんとした意味があるんです(笑)」
──生乳に乳酸菌を加えて発酵させたのがヨーグルトだというのはわかりました。では、乳酸菌はどうやって製造、培養させているのですか?
田中「当社で使っている“ブルガリア菌”と“サーモフィラス菌”は、どちらも古くからヨーグルトを作る際に使われてきた菌で、両方ともブルガリア国由来の乳酸菌です」
──古くから使われている乳酸菌を使ったほうが、本来のヨーグルトのおいしさが引き出せたりするからですか?
田中「それもありますが、以前の国際食品規格(CODEX:コーデックス※1)では、ブルガリア菌とサーモフィラス菌の2菌種を使って乳酸発酵させた食品だけをヨーグルトと定めていたんです」
【※1:コーデックス:国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)が合同で設立した国際食品規格委員会。世界共通の食品規格を定めている】
──乳酸菌は500菌種以上もあるのに、定められた2菌種を使ったものしかヨーグルトではない……?
古川「以前の国際食品規格ではそうでした。ただ、現在の国際食品規格では、ヨーグルトの世界的なトレンドを受けて、“あらゆる乳酸桿菌(かんきん)属と乳酸球菌のサーモフィラス菌”により発酵した食品もヨーグルトの一種とみなされるようになりました。
日本国内では厚生労働省の乳等省令(食品衛生法に基づく「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」)で、ヨーグルトは“発酵乳”と位置づけられています。ヨーグルトという規格がないので、ブルガリア菌とサーモフィラス菌以外の乳酸菌を使っていても、“発酵乳”で一括りにされるんですよ」
田中「日本でヨーグルトを製造・販売しているメーカー各社さんがそれぞれさまざま乳酸菌を使っています。言うなれば、乳酸菌の多様性がヨーグルトの多様性をつくっているわけです」
コーデックスが定めた乳酸菌を使っている「明治ブルガリアヨーグルト」は、国際基準でも“ヨーグルト”と認められていましたが、実はもっとすごい秘密があるのだとか。次回はヨーグルトが秘める健康パワーについて、引き続き明治のみなさんにお話を伺います。
◎第3回:【ヨーグルト#3】おなかの調子を維持するなら、4日で1箱(400g)を食べきるペースで(9月1日18時公開予定)
(取材・文/横堀夏代)