徹底的に“くせ毛に悩む人”に寄り添うコミュニケーション
──プロカリテの商品開発以外に『くせ毛LABO』 というウェブサイトも展開されています。どのような背景があったのでしょうか?
大塚さん「くせ毛を研究してきた実績と専門性を世の中に伝えていくために、2008年に『くせ毛LABO』といウェブサイトを立ち上げました。“くせ毛はどのようにして起こるのか”といったメカニズムから、ストレートパーマの仕組み、くせ毛に効く生活習慣にいたるまで、くせ毛に関する幅広い情報を提供する専門サイトです。思い通りにならないくせ毛をまとめるちょっとしたコツや、くせ毛を生かすスタイリングなど、日常のシーンに合わせた提案も行い、寄り添ったコミュニケーションを行うよう、心がけています」
──ブランドメッセージとして“くせ毛をなおす”から“くせ毛をマネジメントする”に変わっているように思いますが、どのような理由からでしょうか。
大塚さん「“くせ毛をなおす”というメッセージだと、“くせ毛はよくないもの”と思われがちです。はたしてそうなのでしょうか。例えば、“今日はくせ毛を生かしたぬれ髪にしよう”とか、“明日は毛先にニュアンスを出して、こなれヘアにしよう”というふうに、自分自身でヘアスタイルをマネジメントする。くせ毛の悩みに振り回されるのではなく、それを個性と捉え、思い通りのヘアスタイルを叶える。そんなふうに、自由におしゃれを楽しんでもらいたい。“くせ毛をマネジメントする”というメッセージには、そういった意味を込めました」
小さな声を大切にした商品づくり、くせ毛に悩む人たちの気持ちに寄り添った『くせ毛LABO』でのコミュニケーションなど、ファンの心をつかむ活動の結果、30年以上も続くロングセラー商品『プロカリテ』が生まれたのではないでしょうか。
インタビュー#2では、新卒入社4年目で『プロカリテ』マーケティング担当の大塚さんに、商品への思いやこだわり、株式会社ウテナならではの柔軟な社風についてお話をお伺いします。
・プロカリテ公式サイト:https://www.utena.co.jp/products/brand/proqualite/
・くせ毛LABO:https://www.sara-hea.com/
(取材・文/西谷忠和、編集/本間美帆)