久しぶりとなる国体へのご出席にも意欲を

 滞在するホテルでは、雅子さまが国葬に万全の体調で臨まれるため、静かに過ごされていた。

「愛子さまとオンラインでお話しなさったそうです。母親の多くがそうであるように、雅子さまにとっても愛娘の愛子さまの声を聞くだけで癒されたのかもしれません」(宮内庁関係者)

 国葬には両陛下で参列し、70年にわたり日本の皇室との交流を深めたエリザべス女王を哀悼した。葬儀後の陛下は、女王に対する想いと天皇として代々にわたる英国との関係を守り抜いたことに安堵されたのではないかといわれた。

「雅子さまも皇后として陛下のお気持ちに寄り添えたことは、何よりもうれしかったのではないでしょうか」(雅子さまを知る外務省時代の友人)

 帰国後の雅子さまは確実に回復への道を大きく歩まれているようだ。

「コロナ禍により御所でのオンラインの公務が多くなったことは、ご療養中の皇后さまにとっては少し休める時間が増えたのではないかと思われがちですが、そういうわけでもないように感じます。やはり各国の王族たちとの交流や国民との会話など、人々と直接ふれ合うことのほうが生気を感じられているようにお見受けします。皇后陛下としての務めをなさりたいと願われているのではないでしょうか」(宮内庁関係者)

 10月1日には約3年ぶりとなる主要な公務の「第77回国民体育大会」(栃木県)へのご臨席が予定されている。外国訪問の疲れもあることから、1泊の予定が日帰りに変更されたが、上皇上皇后夫妻から受け継がれた大切な公務のひとつだけに臨まれる思いは強いという。

 沿道で心待にしているであろう国民のかけ声に、どんな笑顔を見せていただけるのかが楽しみだ。

2019年9月、国民体育大会開会式に出席するため茨城県を訪れた天皇皇后両陛下

(取材・文/友納尚子)