植草にインタビュー!「いつまでもジャニーさんが認めてくれるようなショーを」

 公演終了後、植草に少しばかりだが、今回の公演について尋ねてみた。(錦織は次のスケジュールの都合ですぐに退出)

──おつかれさまでした! 今回の舞台は、おふたりの信頼関係が垣間見える感じでした。

「楽しかったですね……周りからはずっと怒られながらやっていました(笑)。でも、そうじゃないと成長しないしね」

──昨年末の、植草さんソロのショーへの錦織さんサプライズ出演が、今回につながったのでしょうか?

「もちろん、彼の中ではそれもあったかもしれない。でも、いちばんの理由は、“いつか、ふたりのファンミーティングみたいなことをやりたいね”と言っていたところで、東京ドームホテルが予約できたことですね。せっかく大きな会場も取れたし、まずはディナーショーをすることにしたんです」

──今回の反響の大きさから、大阪公演も具体的に動きました。

やっぱり、関東だけの3回で終わっちゃうのはもったいないし、みんなにも、もっと会いたい……と思っていたら、ついこないだ決まって、本当にラッキーですね。ニシキ(錦織)と僕が('20年にジャニーズ事務所を)退所して、(少年隊の)3人がそれぞれの仕事をするのも大事だけれど、やはり35年間続けてきたことが自分たちの財産となっているし、それをまた表現できるという機会をもらえたのは、ファンのみなさんがいてくれてこそ。昔は何も考えずに若さゆえの勢いでやっていたけれど、この歳になると、ひとつひとつのことが、本当にありがたく感じます。

 演奏のメンバーや照明、音響含め、スタッフのみなさんが陰で支えてくれているおかげだと実感するし、振り返ってみると、これまでも支えられて今に至っているんだなと、改めて気づきました。だから、本当にもう感謝の気持ちしかないですね。

 何かを決めるときに、今でも“ジャニー(喜多川)さんだったらどうするかな?”と自分に問いかけながらやっていますし、たぶん、ニシキも一緒。そのことを忘れずに、いつまでもジャニーさんが認めてくれるようなショーを目指したいなと思います

──『ふたりのSHOW&TIME』が成功したということは、次は『3人の”SHOW&TIME』も期待されます。

「僕も、できることなら3人でやれることも願っていますし、それがすべてだと思っているのですが、それぞれのタイミングがありますしね。いつか、そのタイミングが合うことを望んでいます。

 より大きなステージに3人がそろって……そんなすてきなことって、ないじゃない!? 最近は、後輩たちが頑張っている姿を見て“本当によかった”って思えるし、“俺たちも負けてられないぞー!”って思いますしね。

 歳をとっても、こういうことがやれるのが楽しいし、何より、来てくださるお客様の顔を近くで見ると、お客様のほうがもっとすてき! マスクをしていても、目を見たらわかります。みんな、髪の毛や服装まで一生懸命考えて会場に来てくれる。俺たちなんかよりも、しっかり準備なさっているんじゃないかと(笑)。そうやって、すてきな方々とお会いできるのもうれしいし、それだけの場所にしなきゃいけないな、と覚悟しています

──ステージでも盛り上がる、植草さんのソロ曲「Sha la la」は、いつリリースなんですか?

「何か次のタイミングでリリースできないかと考えています。レコーディングも途中まで仕上げていて、なんとか今年中にできれば。どうせなら、何曲かまとめてお届けしたいですね」

──11月はソロでのランチタイム&ディナーショーですね!

「ソロのほうは、さらにヒット曲満載で、動けるだけ動いて頑張ります!」

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 今回のショーは、長年の愛と感謝に包まれていたし、繰り返すが、『ふたりのSHOW&TIME』が開かれたことで、いつの日か『3人のSHOW&TIME』が見られるような気持ちにもなった。3人そろってこそ少年隊、という見方から、本公演を否定的にとらえる人もいるかもしれないが、筆者にはそこに向かうまでのステップのように見てとれた。一緒に歌いたい、踊りたいという気持ちから、まずはふたりのショーが実現した。それはただ純粋に、ジャニー喜多川氏と3人が大切にしてきた“SHOW MUST GO ON!”が、今できる範囲で実施されただけのような気がする。

 だからこそ、3人がそれぞれの道を歩み続ける中で、また偶然が重なり合って、さらなる夢のショーを期待せずにいられない。そのために、彼らの音楽やショーを愛する人たちは、ネガティブな憶測に振り回されることなく絆を深め合うことが、より大切になっていくような気がする。

幸せそうな笑顔でステージを去ったふたり。いつか、3人並んだ姿も見られますように・・・! 撮影/佐藤靖彦
★フォトギャラリーページ★では、完全燃焼したふたりの様子を余すことなくお届け!

(取材・文:人と音楽を繋げたい音楽マーケッター・臼井孝)