記者会見ではウィットに富んだお答えを

 1959年4月10日、美智子さまは上皇陛下とご結婚。民間から初めて皇室に入ったプリンセスとして、その国民的人気はミッチーブームといわれるほどでした。

◎ご誠実で、ご立派で、心からご信頼申し上げ、ご尊敬申し上げていかれる方だというところに魅力を感じました

 婚約決定の記者会見(1958年11月)で陛下の魅力を問われて答えられた「ご誠実で、ご立派で」は当時、流行語にもなりました。あれから60年以上の歳月が流れた今も同じ質問をされたら、やはり同じようにお答えになるのかもしれません。

1993年4月、「チェリーブロッサム・チャリティー・ボール」で上皇陛下と息ぴったりのダンスを披露 撮影/藤沢謙

◎差し上げるとしたら、お点ではなくて感謝状を

 1984年、ご結婚25周年に際しての記者会見で「ご夫妻でお互いに点数をつけるとしたら」との質問に対するお言葉です。初めに上皇陛下が「努力賞」と答えられたのに続き、同じくユーモアで返されました。このお言葉の前に美智子さまは「殿下(現在の上皇陛下)のお導きがなかったら、本当に私は何もできませんでした」と深い感謝のお気持ちを示されています。

◎浩宮の人柄の中に、私でも習いたいというような美しいものを見いだしています

 1960年2月23日、第一子・浩宮徳仁親王(現在の天皇陛下)をご出産。天皇家に生まれた子どもは乳人(めのと)が世話をするのが皇室のしきたりでしたが、美智子さまはご自身の手で3人のお子さまを育て上げました。このご発言は1974年、中学生になった浩宮さまの成長ぶりを語られたものです。多忙な公務のかたわら、家族で過ごす時間を大切にされた美智子さま。子どもの美点を見いだす母親のまなざしが印象的です。

1961年8月、ご静養先の軽井沢に向かう列車内で。1歳半の浩宮さまを見つめる視線が優しい 撮影/週刊女性