資格は持っていたほうがいい

──奈良県に転居してから、インテリアコーディネーターの勉強を始めるわけですね?

「はい。春に転職・転居して、秋には資格を取得していました」

──そんなに早く? 受験勉強はどうしていたんですか?」

働きながらの勉強だったので、すべて独学です。というか、建築系の会社なのでオフィスにはもちろんですが、現場に行っても、周りにはプロの建築士やインテリアデザイナー、コーディネーターが何人もいるわけですよね。職人さんもいます。だから、仕事の合間合間に“すみません、これってどういう意味でしょうか”“ここがわからないんですけど”って質問しまくりでした。わたしは設計用の定規の持ち方すら知らなかったのに、皆さん丁寧に教えてくださって……、本当は迷惑だったのかもしれませんけど(笑)」

──インテリアコーディネーターになるには、やはり資格は取得しておいたほうがいいですか?

「わたしは取得しておいたほうがいいと思います。美術系の大学やデザイン関係の専門学校を出ていなくても、わたしのようなまったくの未経験者でもこの仕事に就くことはできます。試験問題の中にはカラーリングだけでなく、机や椅子の高さはどのように調整するといいのかといった実践に近い問題もあれば、建物やデザインの歴史全般に関する問題もあったりするので、インテリアコーディネーターはどういうことをやるのか、自分自身がこの仕事のことを知る取っかかりになるんです。そういった意味でも、資格の勉強はしておいたほうがいいと思っています

──独学でも、やはり半年は勉強に必要ですか?

たった半年と思われるかもしれませんが、資格だけは早く取っておきたかったので、わたしなりに時間は使ったと思っています。使える時間のほとんどを勉強に費やしたので。あのときは本当に必死だったんですよ。

 インテリアコーディネーターの資格を取得して、念願の建築業界で働けることになったので、通信制ですけど、翌春から芸術系の大学に入り直して二級建築士の免許も取りました。このときも仕事と勉強のかけ持ちでしたが、建築士とインテリアコーディネーターの両方の資格を持っていると、ものすごい強みになるんです

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 自分も羽ばたきたいという思いから、30歳で念願だった建築業界に転職し、インテリアコーディネーターの資格を取得した山崎さん。次回は仕事のフロー(流れ)など、より具体的なお仕事の内容を伺います。

※第2回:【インテリアコーディネーター#2】わたしの仕事は、クライアントが“どんな生き方をしたいか”を形にすること

(取材・文/久保弘毅)