就職と「学歴の暴力」との出会い「ここにかけるしかない」
それでも、「死ぬ前に一度は挑戦しないと報われない」と思い、就職までの1年弱、拾っていただいた事務所でアイドル活動をした。
ただ、コロナ禍で1回しかライブが開催されず、思い描いていたようなことはできなかった。
そして、あれよあれよと時間は過ぎ、就職をし、アイドルの夢も諦めた。
大好きなパン屋に就職したため、毎日それなりに楽しかったが、今死んで後悔しないかというと、「アイドルになれなかった人生、意味がなかった」と遺言で残しそうなくらいには心残りがあった。
かと言って若くもないから、今から普通のアイドルを目指すのは無理だと思った。そんなときにTwitterで見かけたのが「学歴の暴力」だった。
「こんなアイドルがあるんだ、私が思い描いていたアイドル像を形にしてくれていて応援したい!」と思っていた。そんなうちに新メンバー募集の案内が出た。東大・京大に混じれるとは思わなかったが、私がアイドルをやるには、最後にここにかけるしかないと思った。
DM(ダイレクトメール)を送ってみると、なんとありがたいことに、受け入れてもらえるようなメッセージが届いた。この日、すごく泣いた気がする。初めて自分の人生が報われたように思えた。
加入前に2人と面談をすることになった。途中で応募理由を聞かれたが、私はこの面談を就職活動の面接のように思っていたため、本当の理由は長ったらしいと思い、よくわからない理由を述べた。そして終始、何か強みを話さなきゃと思い、ひたすら「パンが大好きすぎる人」をアピールしていた。結果、前述したようなアイドルを目指した理由を2人に説明することもなく、今を迎えている。
「学歴の暴力」で活動する今、思い描く“これから”
「人生で今がいちばん楽しい」と胸を張って言えるくらい、学歴の暴力に入って活動していることが幸せだ。
本当にパンを食べるくらいしか才がないので、Twitter上などでは、“バズりまくっている2人と、よくパンを食べている人”という奇妙な組み合わせになってしまっているが、なぜかファンの方々も2人も受け入れてくれているのでありがたい。
自分が思い描いていたようなストーリーではなかったが、ようやくアイドルになれて、本当によかった。ずっと、なんだかんだ理由をつけて自分の夢から逃げてきた人生だったが、京大に受からなかったから、逃げるのをやめられたのかもしれない。「もう人生を悔やまずに生きられる」と思うと、とても心が軽い。
とはいえ、勉強しかしてこなかった分、人生経験は浅く、きっとまだ中学生くらいの精神年齢なんだろうなと思うことが多い。
「学歴の暴力」をもっと面白くしていくためにも、人生経験を増やし、深みのある人間になっていきたいなと思う。
(文/「学歴の暴力」あずきあず)
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