推し活は続くよどこまでも! 推しに対する心境の変化

 20年以上にわたるファン人生を総括して「オタクをしているときはほとんどが幸せ」と回顧。しかし、ときにはアイドルの卒業などを理由に推せなくなってしまうことも。

私は女性アイドルも好きで『モーニング娘。』の道重さゆみさんが好きなんです。卒業とともにロスになって、本当につらかった。“もう見ることができないんだ”って悲しんでたんですけど、さゆみちゃんが卒業するタイミングで牧野真莉愛ちゃんが加入して。“めちゃくちゃかわいい!”って惹(ひ)かれて、ぽっかり空いた私の心を真莉愛ちゃんが埋めてくれました

──推し活をしていると楽しいこともあれば時々つらいこともあります。今年初めてジャニーズWESTのコンサートに参戦したそうですね。

ジャニーズは本当に心の栄養だなと思います。今年の夏にジャニーズWESTさんのドーム公演を見に行ったんですけど、感動して泣きました。最新アルバムを買って勉強したものの過去の歌はあまり知らない状態。それでもやっぱ心に響く。めちゃくちゃ熱くて“明日から頑張れる!”ってなりました

 バラエティ番組をはじめ、劇場でのライブやYouTubeの活動と多忙なぼる塾。仕事と推し活のバランスを保つコツを聞いてみると、ライブが発表されたら当落を待たずにあらかじめ休みの希望を伝えているのだそう。そして仕事の移動中も、寝ずにiPadで推し活!「寝るよりは推しを見続けるほうが絶対幸せ(笑)。やっぱり推しは心の栄養です」と、どこまでもブレない回答が。

 若いころは好きという気持ちが強すぎる“ガチ恋”(※3)、推しを恋愛対象として見ていた時期もあったと20代を振り返り、30代のいまでは推しに対する気持ち、流す涙の理由にも変化が。

※3:アイドルや推しに、本気で恋をすること。

「最近はもう本当に“幸せでいてほしい”“アイドルを続けてくれてありがとう”という気持ちです。これまで仕事で嫌な気持ちになったこともあったのですが、そういうときに推しも大丈夫かな?と心配になる。人間だから多少なりともあるんでしょうけど……。嫌な思いをしてなきゃいいなって。

 だから推しにはとにかく寝て、おいしいものを食べて、健康でいてほしいと願うようになりました。25歳ぐらいまでは好きすぎて、自分の思いが伝わらなくて泣いてたのが、30歳を過ぎたぐらいから、(推しが)元気そう! とか、むしろ“幸せにしてくれてありがとう”って、尊すぎて泣くに変わりました

 推し活の次なる夢や目標を聞いてみると「イギリスに行くこと」と即答した田辺さん。『名探偵コナン』の聖地巡礼の一環として行ってみたいのだとか。

「最終的に(毛利)蘭ちゃんと(工藤)新一が付き合ったのはイギリスではないですけど、最初にそういう気持ちを告白したのがイギリスなので行くと決めています。あと、来年の春にまたシンガポールへ。ちょっと先々の目標があるとまた頑張れますね

 最後に、田辺さんの推し活に対する思い、推し活というものを言葉にするならば? と質問を投げかけてみたらこんな言葉が返ってきました。

「やっぱりちょっと苦しいこともあるけれど……。推しがいる人生はやっぱり楽しい。“推しがいる生活ってのは本当に楽しいよ!”ってことは伝えたいですね

推しがいることで人生や生活にどれほど豊かな影響を与えるのか、存分に語ってくれた 撮影/矢島泰輔
『ラヴィット!』の収録前に、『ar』を読みながらあんりさんと、気になるワードをチェックしているそう 撮影/矢島泰輔

(取材・文/柚月裕実、編集/本間美帆)


【PROFILE】
田辺智加(たなべ・ちか) 1983年生まれ、千葉県出身。お笑いカルテット『ぼる塾』のメンバーであり、ボケを担当する。ジャニーズのアイドルを始め、女性アイドルグループ、アニメ、マンガ、スイーツとさまざまなジャンルに“推し”がいる推し活の達人としても注目を浴びる。2021年10月には初の著書『あんた、食べてみな! ぼる塾 田辺のスイーツ天国』を発売。

Twitter→@chi0314ka、Instagram→@chikaxxsweet