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「1日1フム」生活。- フムフムニュース -

関東地方を中心に、話題の人気シェフのお店と人生ストーリーをご紹介。笑いあり、涙あり……厳しい世界を生き抜いてきたシェフたちの言葉には、重みがあります。
取材したシェフに、いま注目する人材を挙げていただき、リレー形式でお送りします!
 

おいしい

『アマラントス』宮崎慎太郎シェフ、ミシュランの常連が一流ホテルの料理長を退き12席のみの店で勝負するワケ

SNSでの感想
宮崎慎太郎シェフ。凛々しい瞳で料理への熱い思いを伝えてくださいました! 撮影/齋藤周造
目次
  • 海外や一流ホテルで研さんを積んだ日々「ホテルではひとり浮いていた時期も」
  • 独立に後悔なし!「生涯、現役の料理人であり続けたいと決意を新たに」
  • 『アマラントス』宮崎慎太郎シェフのスペシャリテ
 いま話題の人気シェフのお店と人生ストーリーをご紹介、次の料理人を推薦していただき、リレー形式でつないでいく連載「人生を彩る シェフの美食リレー」。
 第3回目は東京・赤坂の人気フレンチ『アマラントス』の宮崎慎太郎シェフをフィーチャー!

海外や一流ホテルで研さんを積んだ日々「ホテルではひとり浮いていた時期も」

 五つ星ホテル『ザ・リッツ・カールトン東京』のメインダイニング『アジュール フォーティーファイブ』の総料理長としてミシュランの星を6年連続で獲得し続けながらも、2021年、コロナ禍に独立。46歳で、わずか12席のレストラン『アマラントス』のオーナーシェフに転身した宮崎慎太郎さん。安定したラグジュアリーホテルの料理長の座を退き、先の見えない時代に、自らの腕一本を信じてカウンターに向かう日々だ。

ビルの一室にある『アマラントス』。看板にこだわりを感じる 撮影/齋藤周造

ザ・リッツ・カールトン東京から、“メインダイニングで星を取ってほしい”とミッションを投げかけられて料理長としてスタートし、1年で実現することができたんです。その後6年間、結果を出しつつも、ゲストにとって最高の料理を出せないというジレンマに陥りました。

 ホテルのダイニングはキッチンからフロアまでの動線が長く、お客様の元に届くまでに、味や食感が変わってしまう可能性があります。温かいお皿も冷たいお皿もベストタイミングで出せることが、ガストロノミーの基本です。日々、お客さまと向き合って、自分の料理を食べたいと通ってくださる方々のために料理を作りたいという思いが強くなっていきました。そういう意味では今、ゲストの目の前で調理し、作りたてを食べていただける環境で自由に動けるようになり、充実した日々を送っています

 ホテルは生え抜きのシェフを起用するのが一般的だ。宮崎シェフは声がかかったとき、丸の内にある商業ビルの一角にある人気フランス料理店『オーグードゥジュール ヌーヴェルエール』のシェフだった。街場のレストランのシェフが一流ホテルの料理長にスカウトされることは異例のケースだと、注目を集めた。

「ホテルで働いた経験がなく、不安はありましたが、“星を取る”というミッションにフォーカスできる環境であれば挑戦したい、と意欲を燃やしていました。いざ入ってみると、いきなり未経験の自分がいちばん偉い人になってしまったわけですから、最初はひとり浮いていました。やはり、長く勤めているスタッフからしたら、信用できるのかと疑問を持たれたはずです。よそ者扱いされて、誰も味方がいませんでした。そんな中で、誰が何を得意としているかを見極めて、適材適所を判断しながら大勢のスタッフを動かしていかなくてはならない。プレッシャーは相当なものでした。星が取れて、ようやく自在に動けるようになりましたね」

宮崎シェフは「いや〜当時は本当に大変でしたよ」と振り返りながらも、笑顔を絶やさず語る 撮影/齋藤周造

 ホテルで働き始める前、29歳と、海外修業に出るには遅い年齢でパリに出て研さんを積んだことで、新たな展望が開けた。盛りつけの精緻さ、華やかさ、そしておいしい素材にひと手間どころではなく、幾重にも手を加えて完成するアート、それがガストロノミーの奥義。肌でそう感じることで、表現のインスピレーションが広がった。そんな宮崎シェフのコースは、『ザ・リッツ・カールトン東京』の豪華な空間にふさわしく華麗だった。味の幅が広く、色彩豊かで、素材一つひとつに奥深い仕掛けが施されている。

フランスでは、星付きから街場のビストロ、トレンディな新店まで、さまざまなタイプの店で下処理から盛りつけまでを経験しました。ガストロノミーを頂点に、レストラン、ビストロ、ブラッセリー、カフェと厚い層をなして食の世界が広がっている。日本にはないその棲(す)み分けを体感して、ガストロノミーの魅力を再発見できたことが糧(かて)となっています。レストランの中でも特に優れたテクニックと上質な素材、シェフのクリエイティビティを駆使して美食を追求しているのが、いわゆるガストロノミーレストラン。その真髄を身をもって体験できて、ホテルという特別な美食空間での料理を表現するうえで役立ちました。若いころに行っていたら、技術を身につけるのに精いっぱいで気がつかなかったと思います」

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