──似鳥さんのSNSのフォロワー数は今も伸びていますし、多くのファンがこれからの芸能活動を楽しみにしていると思いますが。
「本当に地味な人間なので(笑)。有名になったね、とか言われるけどまったく違うんだよと言いたいです。私もひとりで泣いて、苦しい夜を過ごすときもあります。本当にファンのみんなと同じなんだよと伝えたいです」
──具体的な今後のキャリアも含めて、まだ手探りの状態ということですね。
「そうですね。今を生きることで精いっぱいなんです。小学生のころから、いい意味でも悪い意味でも先は見えない。悪い意味が大きいけれど、そうやって生きてきましたから」
──その生き方は改善したいのか、それとも個性として受け入れているのか、どちらですか?
「ずっと昔からそうですし、これでしか生きられないのかなと思います。本当は治したい気持ちもあるけど、これでなきゃやっていけない自分がいるのもわかってるから。とりあえず、生きている間に何ができるかを考えています(笑)」
引きこもりは可能性にあふれた存在
──今回のインタビューで似鳥さんを知った人の中にも、引きこもりや不登校を経験した方がいるかもしれません。似鳥さんからのアドバイスがあればぜひ。
「よく、人見知りを克服する方法とか、孤独なときの対処法とかを聞かれるんですけど、私はどちらも克服していません。無理に克服しなくてもいいという思いがあって、毎日いろんな工夫をして生きていれば楽しいこともあるし、克服できないからといって落ち込む必要はないと思います。
私も孤独な時間がいっぱいあるからこそ、生きていられるというか、いろいろと考えられることも増えるし、それは孤独だからこそなんです。引きこもりでできないことが多すぎたからこそ、目標が無限大に広がるというか。引きこもりって可能性が広がりすぎてる人だと思うんです。苦しいこと、つらいことがあるのは私も同じだよと伝えたいです」
──引きこもりの自分も肯定するということですね。
「可能性が広がってて、キラキラしてるって思いますもん。コンビニに行くだけでも目標になって、可能性が広がるじゃんって(笑)。引きこもりでも、自分の考え方を変えたら素敵な部分があるはず」
──ファンとの距離が近い似鳥さんのアドバイスは説得力があります。
「以前、女の子のファンからつらいというDMをもらったとき、“いつかコンビニでお酒買って歩きながら飲もう。その日まで、お互い頑張ろうね”って返したら、彼女から“それまで頑張って生きる”って返信が来たんです。人間、楽しいことがあるだけで生きられるので、それを一緒に見つけようって。私が言えたことじゃないと思いますが(笑)」
──やっぱり、楽しいことを見つけるのは大事ですよね。
「私は芸能界に入ろうと思って入ったわけじゃなくて、インスタにグラビアふうの写真をアップしていたらメディアの方からお声がけいただいて今に至ってるので、この活動を続ける理由が必要なんです。それはファンのために恩返しをすることであって、みんなが楽しむ時間を作ることです。目的もなく有名になりたい、といったモチベーションでは続けられないと思います」