お客さんには媚びない。「ついてこられる人だけどうぞ」な“降矢スタイル”を貫く

──降矢さんの場合は、お客さんから本気で好きになられたりすることも多かったのではないですか。

“ガチ恋”の方が多かった感じはしますね。俺は癒し系とかではないので、動物的な可愛さを求めてくる人よりは、人間性に惹かれてくれたのかもしれないです」

──何人もの人から言い寄られると、どういう気分なのでしょうか。

「めっちゃ言い方が悪いけれど、ありがたいものの、“あっちが勝手に好きなだけ”って感じ。でも別に、俺がそれ(相手の気持ち)をね、ダメだよっていうことじゃないですからね。もしかしたら、相手は俺が自分を好きかどうかなんて、ぶっちゃけどっちでもいいのかもしれない。俺はホストですから

──お客さんとして接していた人を、本当に好きになってしまったことはありますか。

「俺は全然ないです。でも、ほかの人はいっぱいあると思う。それでホストを辞めていく人もいるから。俺はこの仕事を辞める気がないから、“俺を好きでいてくれる人は、残念ながら(お客さんとして)ずっとついてきてもらうしかないよ。ついてこられなくなったら、そこで終わりです”って言う

──潔いですね。

「だいたいのホストって、お客さんに対して“これくらいまで(お金を)使ってくれたらホストを辞めるから使ってほしい”ってお願いするパターンが多い。だけど俺の場合は、“いくら使ってもらってもホストは辞めません。だから、ついてこられる人だけついてきてね”って言っているんですよ

──漫画やドラマの世界でしかホストクラブを知らなかったので、女性側からしたら、もっと甘やかしてもらえる世界だと思っていました。

「人によるかな。店のコンセプトとかでも違ってきますし。もちろん、甘い言葉をずっと囁(ささや)いて好きにさせるタイプのホストもいます。それこそ、女の子の人生を振り回すようなやつもいっぱいいる」

──さまざまなタイプの男女を見てきた降矢さんからすると、「こういうやつはやめておいたほがいい」っていう男性はどんなタイプですか?

まさに“この男はやめたほうがいいぞ”って言ってくるやつ(笑)。性格が悪いか、下心があるから。例えば俺の場合、女の子が相談してきた相手のことを、あんまりよくないなって思っても、本人の前では言いません。女の子の前にいるその男は、俺に見えている男とは違いますから。それに、好きになっちゃったら一緒にいたいんだろうから、周りが何を言っても無理なんですよね。“やめろ“っていうよりも、一緒にいられる方法を考えてあげたほうがいいんじゃないかなって思います

──逆に、「これは嫌だな」と感じた女性の言動はありますか?

俺の文句はいくら言ってもいいけれど、うちの従業員や俺の仲間に上から目線で物を申
すのだけは許せないですね。文句があるなら、その人たちに言わずに俺に言ってほしい。
俺は女性に対しても“お前ごときが言える立場じゃない”って思っちゃうから」

──女性はアドバイスをしているつもりで、つい言ってしまうこともありますね。

面倒なタイプの子の特徴って、直接的な言葉を使わないことだと思うんです。例えば、“今日は一緒にいたかった”って言えばいいだけなのに、そのワードだけは発さない。なのに、ずっとグチグチ言ってくるから流していると、“なんでそんな態度なの”って返してくる。だから俺はそうなったら、あえて無視! (笑)」

──最近では『ホス狂い』という言葉も生まれてきましたが、ホストにハマりやすい女性の特徴みたいなものってありますか?

「友達が少ない人と、シンプルに男好きなタイプ。あとは、寂しがりやとかですかね。たとえ、付き合っているメインの男性がいたとしても、それ以外にも常にプラスアルファで男にいてほしい人」

──なにかしら当てはまる女子は、結構いると思いますよ。

そのときに出会った担当が、その人が求めているニーズにしっかり応えてくれるホストだったら絶対にハマると思います。仕事とかで疲れたときに、通うようになるんじゃないかな」

「JP[W]1」内にあるVIPルームの入り口付近の様子。厳重に保管された高級酒たちを入れてもらえるホストはほんのひと握り……