ホストクラブは少額でも遊べる?「嫌がるホストはいないけど俺は13万円から」

──例えば、高額ではなくライトなお金の使い方でもホストクラブに行っていいのですか?

「ライトなお金の使い方でも、遊びに来て迷惑っていうホストはいないと思う。でも、俺は自分のブランディングがあるから最低金額を設けていて、SNSでも“いくらからならOK”って書いています」

──SNS経由の問い合わせはどれくらい来るものですか?

「毎日1通くらいはDM(ダイレクトメール)が来ますが、月30通きたとしても、来店数ってマジで5人くらいです」

──思ったよりも実際の来店数は少ないのですね。

「冷やかしでDMを送ってくる人もいるのかもしれないけれど。予算などを聞かれたら、ちゃんと返信して質問に答えていますよ」

──今、降矢さんに会うにはいくらくらい必要なのでしょうか。

「理想は最低13万円ぐらいあるとありがたいですよね」

──結構な金額ですよね。

「すごーく安いホストなら、1時間1万円。俺の場合だったら、1万円じゃ店には入れないですね」

──やはり金額にたじろいでしまうのですが……。

「じゃあさ、コンサートのチケットとして考えて」

──8000円くらいですかね。

「でもさ、そのチケットで憧れのその人と、実際にしゃべれる? 」

──……ステージを挟んで一方的に拝むだけですね。

「それです! (笑いながら)それを考えたらどうですか」

──(笑)そうですね。かなりの“推しメン”とそれ以上のことができるなら、何万円か払っちゃうかもしれないですね。

「ホストの場合は、一緒に乾杯もして、隣で笑って話してくれる。それを考えたら、その金額になるでしょっていう。いちばん安い価格帯で通うとしても、普通の人の“使うならこれくらいまで”という考えにプラスアルファを上乗せするのがホストの役目なんです。俺は“降矢まさき”というブランドは崩さないから安売りはしないけれど、ちゃんとお金を使って応援してくれる女性に対しては、全身全霊で話を聞くし、楽しませる努力を惜しまないですよ

──よくホストは『色恋営業』と言われますが、なかなか奥が深いのですね。

ブランディングがうまくいくと、次第に自分に自信がある人だけが寄ってきてくれるようになります。一流の人が増えると、中途半端な面倒くさいこととかは起きにくくなるんですよね」

──すごく裏表のない性格というのが伝わってくるのですが、降矢さんがホストとしてナンバ
ーワンになるために応援してくれた女性たちはどのようなタイプでしたか。

まず面倒なことは言ってこない子たちでしたよね。職業は風俗や水商売だったり、それ以外だったりとバラバラでしたけれど。自分の立場をわきまえているというか、向こうの一方的な要求などはしてこないでコンスタントに通ってくれたから、大事にしたいなと思っていました。ずっと我慢をしてくれている子たちだから、こちらから寄り添ってあげないといけないなという気持ちもわいて、より一層、丁寧に接していたと思います 」

──お話を伺っていると、ホストクラブに通うお客さんの中にはちゃんと満足している方も多いと思いますが、世間的にはまだホストクラブ自体がいい印象を持たれていないですよね。

「悪いイメージが先行しがちになってしまうのは、例えば、おじさんがキャバクラとかで女性を口説いて、お金や時間を注ぎこんだのにうまくいかなくても、“バカだね、相手にされるわけないじゃん”で終わることも多いじゃないですか。でも、女の子が遊ばれたとか騙(だま)されたってなると、“大変だったね、裁判したほうがいいよ”って、どうしても深刻なほうに行きがち。そういうことだと思うんですよね

──最近はホストクラブの路上看板や街宣車なども見かけます。客層も変わってきましたか?

「SNSの普及で、だいぶ入り口が広がりましたよね。SNSで見たホスト目当てで来店する子や、ホストクラブに友達を連れてくる子も増えましたよ

降矢さんの手首には“目”のタトゥーが。女性の心は何でもお見通しなのかもしれない 写真/tsubasa_works12