世間の“推し”になるってどんな気持ち?
──この4年間で子どもから大人まで、世代を問わず高橋さんのファンが増えたと思います。誰かの“推し”になっている今、どんなお気持ちですか?
「わからないです(笑)。考えたことはあるんですけど……。僕がまだこの仕事に就いていないときは、“芸能人や有名人って楽しいんだろうな”“どんな思いで生きてるんだろう?”って、ずっと思っていたんです。テレビの中で踊っている人たちを見て、“カッコいい〜”ってなりながら。
それがいざ、その立場になると、自分が今どの立ち位置にいるのかも、どのような状況に置かれているかも理解できないんです」
──ええー? マネージャーさんも教えてくれない(笑)?!
「いやいや(笑)。もちろん、だんだんといろいろなところで声をかけてもらうようになって、感じるタイミングもありますけど……。それはもちろん嬉しいですし、(世の中への認知度の)浸透具合もわかるんですけど、まだどこかつかめていない。
ただ、周囲から反響を聞いて“すごー!”って思います(笑)。何かの作品をきっかけにファンになってくれるのって、たまたまだったり、タイミングもあることだから“すごい縁だな”と思いますし、テレビを見ていて予告に自分が出てくると、“あー!”って思います(笑)」
──自分でも驚くのですね!
「自分や家族が追いつけない感覚はあります。こういう感情を言葉にできるタイミングがなかったので、いつかまとめて言葉にできたら、インタビューで言おうって思ってたんです(笑)。
もちろん理解もしていますし責任も感じているんですけど、客観的に見たときに、自身がどんなポジションにいるのか、みなさんから見た僕の現在地のイメージについては、自分では想像できていないんです」
──以前仕事をご一緒させていただいた編集部スタッフが、高橋さんは自分の言葉を持っていると言っていました。同じ質問を複数の媒体から受けても、そのときに自分が感じた言葉できちんと相手に伝えてくれる方だと。
「すごく嬉しいですね。わりと気分屋なので、同じ質問を毎日されたら300……、200回ぐらいは違うことを言っているような人間です(笑)。その瞬間に思うことってあるじゃないですか。”昨日オムライス食べたいって言って、じゃあ本当に今日食べるか”って言ったら、食べない。そんな感じです。目標も日々変わるし。
デビュー当時は、自分が一度言ったことに合わせにいってたんですよ。でもそれがすごく苦しくて。“なんでだろう?”と考えてみたら、“いま思っていることと違うからか!”とわかって。だから僕は、すごく変化する人間です。全部その都度に思ったことしか言わないです(笑)」
──だからもっと知りたい!って思うんですね。追いかけたくなります。
「あはは。だから、本当にどれが正解かわからない人も、たくさんいると思うんですよね。そこは申し訳ない……(笑)」
(取材・文/柚月裕実、編集/本間美帆)
【PROFILE】
高橋文哉(たかはし・ふみや) 2001年生まれ、埼玉県出身。2019年特撮テレビドラマ『仮面ライダーゼロワン』(テレビ朝日系)で、飛電或人/仮面ライダーゼロワン役を演じる。その後、テレビドラマ『先生を消す方程式。』(テレビ朝日系)、『着飾る恋には理由があって』(TBS系)、『最愛』(TBS系)、『うきわ ―友達以上、不倫未満―』(テレビ東京系)、『悪女 (わる) ~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』(日本テレビ系)など、数々の作品に出演。2022年には『君の花になる』(TBS系)で佐神弾役を好演。劇中のボーイズグループ「8LOOM」のリーダーでセンターを務めた。現在放映中のテレビドラマ『女神(テミス)の教室〜リーガル青春白書〜』(フジテレビ系)に真中信太郎役として出演中。Twitter→@fumiya_0_3_1_2、Instagram→@fumiya_0_3_1_2
《映画情報》
『交換ウソ日記』
□詳細:
公開:2023年7月7日(金)
原作: 櫻いいよ「交換ウソ日記」(スターツ出版文庫)
キャスト: 高橋文哉、桜田ひより
監督: 竹村謙太郎
脚本:吉川菜美
製作: 「交換ウソ日記」製作委員会
配給:松竹株式会社
(C)2023「交換ウソ日記」製作委員会