ストレスをはじめとした耳管開放症の原因

「耳管開放症は検査ではわかりづらく、診断が難しい症状です。ストレスが原因のひとつといわれていますが、検査のときに症状が出ないことも多いため、本人は違和感を感じているにもかかわらず、聴力検査では、耳の機能として異常が見られず、医師から“様子をみましょう”と言われてしまうことが多いのです。

 また、最近はコロナ後遺症の自覚症状のひとつとしてこの症状が現れることもあります(ほりクリニックのコロナ後遺症外来の約25%)

 そう話すのは、耳管開放症に対して心身の両面から総合的な治療を実践している、ほりクリニック(東京都大田区)の堀雅明院長だ。

ほりクリニック院長の堀雅明先生

 このように、診断がつきにくいことから、患者がいろいろな病院を回っているうちに、原因や治療方法がいつまでたっても明らかにならないことで、さらにストレスが増し、深刻なうつ状態に陥ってしまう人も少なくないという。

耳管開放症は、聴力検査では異常がないことが多いんです。耳管機能検査というものもあるのですが、この測定機器はどこの耳鼻科医にもあるわけではありません。

 もしあったとしても、ほんの数分の検査で、変動しやすい耳管の機能を評価するのには無理があります。

 頭を下げて下を向いたり、横になったりすると耳管の周囲の血流によって耳管が圧迫されて症状が軽くなるため、この変化があると、耳管開放症と診断するうえで参考になります