耳管と自律神経の密接な関係

 耳管の働きは自律神経との関係が密接であるために、ストレス、睡眠不足、時差ボケなど、自律神経の乱れや気象の変化によって症状が現れやすいという。

 女性の場合は生理不順、妊娠に出産や授乳など、ホルモンバランスの乱れが影響することもあるという。また、無理なダイエット、ガンによる消耗などで体重が急激に減った場合には、耳管周辺の脂肪が少なくなることで耳管がゆるみ、発症するケースもある。

「耳管開放症は女性に多く見られ、中でもやせ型で、低血圧や冷え性の傾向がある方、頭痛や鉄欠乏性貧血を持つ方も関連しています。他には、ピルの副作用に関連している場合も。

 それ以外だと、やはりストレスによる自律神経の乱れが主な原因なので、薬をもらってすぐに治るというタイプの病態ではありません。ストレスマネジメント、睡眠習慣、運動を含むライフスタイル全般の見直しが必要です。

 ストレスが関係するため、本人の意志では簡単にコントロールできません。また、無意識の領域に原因があるため、医師に単純な治療効果を求めても、すぐには結果が出しにくい性格があります。

 投薬という手段ではなく、ストレスの悪循環から抜け出す知恵が必要なのです。こうした現状で、患者さんが希望を持ちにくいのが現実です」