外科手術・投薬治療よりも有効になりえる手段とは

 堀院長の目標とする、本来のゴールは、“自律神経のバランスを回復し、患者本人がストレスから解放され、幸せな日常を取り戻せるような状態までもっていくこと”だ、と考えている。ただし、治り方は一人ひとり違うので、その人なりのスピードで進めばいいという。

「 自己診断は、ときに危険です。急に難聴や耳閉感や耳鳴が悪化した人は、まずは早急に、身近の耳鼻科で検査と治療を受けましょう。

 例えば、急性の難聴で発症する『突発性難聴』であった場合は、1日でも早く内服治療を開始することが、より高い治癒率につながります。

 耳の症状が長く続くと、自律神経・心身の不調も長引き、悪化することになります。“もしかしたら自分も耳管開放症かも?”と思われる方は、ぜひ専門の耳鼻科に受診してほしいんです」

~耳管開放症に出現しやすい症状リスト~

□ 耳閉感(耳が詰まった感じがする)
□ 自声強調(自分の声が大きく響く)
□ 耳鳴り
□ 難聴(聞こえにくい)
□ 自分が呼吸する声が大きく響く
□ 周りの音が響いて聞こえる
□ 鼓膜が動いているように感じる
□ 拍動する耳鳴がする
□ ふらふらする、めまいがする

※ほりクリニックの患者さんに聞き取り調査を行った際、上記のような症状が出現していました。(ほりクリニックのホームページより引用)

(取材・文/吉川明子、編集/本間美帆)


【PROFILE】
堀雅明(ほり・まさあき) ほりクリニック院長。医家の5代目。昭和大学医学部卒業。祖父から父に受け継いだ堀耳鼻咽喉科医院から、ほりクリニックに改名(東京都大田区)。日本耳鼻咽喉科学会認定専門医。耳鳴や耳管開放症などの対症療法だけではなく、東洋医学や心療内科的観点や生活習慣などを考慮しつつ、統合医療で根治を目指す。翻訳した書籍に『内なる治癒⼒こころと免疫をめぐる新しいい医学』(創元社)、『がん治癒への道』(創元社)がある。耳管開放症研究会会員。趣味は、ヨーガの実践。

ホームページ:https://www.horiclinic.org/