千鳥にほめられ感激、見取り図とは食事にも誘われる仲に
──5upがなくなってから東京進出までの間、おふたりが所属していたのは「よしもと漫才劇場」ですね。どちらの劇場にいたときでもいいので、印象に残っていることはありますか?
阪本:びっくりしたのが、所属して間もない超若手のライブに出ていたら、千鳥の大悟さんが急にやって来て。「ネタやってたな、おもろかったな」って言ってもらえて、千鳥さんと笑い飯さんの大喜利ライブに呼んでいただけたんです。その当時、千鳥さんは大阪で活躍されている大先輩だったんですが、袖でおれたちのネタを見てくださっていたらしくて。
──芸歴に関係なく評価されたんですね……!
阪本:本番は緊張してガチガチやったけど、めちゃくちゃうれしかったですね。
中谷:そうやな。あと日常生活でおれが印象に残ってるのは、楽屋で見取り図の盛山(晋太郎)さんがいろいろな遊びをしてたことやな。段ボールでスロット台を作ったり、野球やったり……見ていても楽しかったし、若手みんな混ぜてもらえてうれしかったし。最近はMDCへの出演だけじゃなくて、見取り図さんにごはん誘っていただけることもあります。
阪本:おれもですね。ごはん中はネタの話とかじゃなくて雑談する感じです。
マユリカの“コント風漫才”は自然な流れで誕生した
──阪本さんはどうやってネタを作っているんですか?
阪本:アイデアがわいてくるとかではなくて、新ネタライブが決まると、この日、何時までにどのくらいネタを決めないといけない、ということがわかるんで、そこに向けて新ネタをひねり出してる感じです。
具体的に言うと、例えばまず、“場所は美容室”といった設定を決めて、設定に合ったボケを考える。そのボケがウケそうやなと思ったらそこからネタを展開させて作りますけど、ウケそうなボケが出ないときは、めっちゃ時間がかかります。でも、やらなあかんので必死に間に合わせてますね。
──マユリカはお互いに漫才中のキャラがあり、そのキャラに扮(ふん)しながら漫才をしますよね。それはいつからやり始めたのですか?
阪本:キャラ設定は漫才をし続ける中で決まっていきました。何回か「しゃべくり(漫才)も作ってみたら?」とアドバイスをもらったんですけど、しゃべくりってどう作るか、おれ自身がわかってなくて。
中谷:うんうん。
阪本:マユリカの芸はいわゆる“コント風漫才”なので、しゃべくり漫才ができる人、すごいなあって思ってます。NSCで1回目のネタ見せをしたときにやったのが漫才で、そこそこウケたので、それから漫才が多くなりました。最初がコントやったらコント師になってたかもしれないし、「おれらは漫才師でいこう」って決めた覚えもなくて、自然と漫才師になっていった感じですね。
中谷:うんうん。
──中谷さんが阪本さんの言葉一つひとつに肯定的な反応を返している、これがマユリカの心地よいスタイルなんだなと、見ていて思いました。おふたりが憧れている芸人さんは?
中谷:学生のときずっと見ていたブラックマヨネーズさんです。
阪本:さまぁ〜ずさん、おぎやはぎさん、くりぃむしちゅーさんです。関西出身のコンビならチュートリアルさんなんですけど……こないだ共演してるから、恥ずかしくて。
中谷:ははは。でもマジはマジなんよな。
阪本:媚(こ)びているみたいで恥ずかしい。共演できたのはうれしかったです。
あとは、よしもと漫才劇場なら、同じく春に東京進出するロングコートダディさんが憧れです。キングオブコントもM-1グランプリもファイナリストになってるし。同期のビスブラ(ビスケットブラザーズ)も、漫才もコントもおもろくて、どちらもできる人はほんますごいです。