ちなみに…「カワウソ」ってどんな意味?
そもそも「カワウソ」という言葉にはどんな意味があるのでしょうか?
「カワウソ」の語源は、“川に住む(カワ)恐ろしいもの(ヲソ)”という意味がある「カワヲソ」(もしくはカワオソ)という言葉だと考えられています。平安時代中期に作られた辞典『和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』には、「乎曽(ヲソ)」と掲載されているそうです。
平安時代の書物にその名前があることからもうかがえるとおり、日本にはかつて「ニホンカワウソ」が日本全国に生息していました。しかし毛皮目的の乱獲に加え、河川開発による環境の悪化によって数が激減してしまいました。そして1979年以降、確実な目撃証言がないことから、2012年に「絶滅種」に指定されています。
コツメカワウソはどんなものを食べているの?
コツメカワウソは肉食性の動物で、野生では主に魚や甲殻類(カニ・エビなど)、貝やカエルなど川に生息する生き物を食べています。しかし時には水辺の生き物だけではなく、昆虫や小鳥、ネズミなどの小さなほ乳類を食べることもあるのだとか。
動物園では魚に加えてリンゴやコマツナなどの野菜や果物、ササミやニワトリの頭などを与えています。中にはコツメカワウソに多い泌尿器系の病気を予防するために、尿路結石ケア用のキャットフードを与えている園館もあるそうです。
実は地上をよく動き回り、水の中を泳ぐコツメカワウソは非常に燃費が悪いことが知られています。新江ノ島水族館では1頭あたり1日に体重の13~20%にあたる量のむきエビ、アジ、バナメイエビ、ニジマス、むきアサリを与えているそう。これを人間に当てはめてみると、20%換算では50キロの人が1日に10キロのものを食べる計算になります。かわいい顔をしていますが、とんでもないフードファイターですね……!!
カワウソは泳ぎが得意って本当?
本当です。水辺での暮らしに適応したコツメカワウソの体は、あらゆる部分が泳ぐことに適した作りになっています。指の間には膜(水かき)があるほか、泳ぐときに水の抵抗が少ないように体型は流線形に、耳は小さくなっています。さらに泳いでいるときに水が入らないように、耳や鼻の穴を閉じることもできます。太くてしなやかなしっぽは泳ぐときに推進力をつけたり、バランスを取ったりするときに使われています。
またコツメカワウソの被毛は、外側の防水性の高い毛と、内側の密度が高く、空気を含んで保温性の高い毛の2重構造になっています。そのため水中に長時間潜っていても、体温が奪われて凍えてしまうことはありません。カワウソが泳いでいる姿をよーく見てみると、毛からたくさんの気泡が出ていて、たっぷりと空気をためこんでいる様子を観察することができます。ちなみにコツメカワウソは息継ぎをしない場合、6~8分くらい水の中に潜り続けることができるそう。動物園や水族館によっては生きた魚を与えて、泳いで追いかける姿や、狩りをする姿を見せてくれるところもあります。