ラジオじゃないと届かない、パーソナリティの個性

──宮嵜さんの考えるラジオのあり方とは?

「僕は本音だけがリスナーに届くとは思っていないんです。ラジオでは素でいることが大事。正直に素でマイクの前に立てるかどうかなんです。つまり自分にもリスナーにもウソはつかないほうがいい。自分を取りつくろい、自分の心にも化粧をして出るような人は、なかなかリスナーとの信頼関係を構築しにくいんじゃないかな」

──テレビでは規制があり、活字だと温度感が伝わらない。ラジオじゃないと届かないものって?

「ラジオじゃないと届かないもの“も”あるということですよね。他メディアとの優劣ではなく。ラジオで言うとパーソナリティの個性のうえに“伝えたい、聴いてほしい”という熱量がないと届かないものだし、そういう気持ちや思いを肉声で届けられることがラジオなんだと思います。

 で、それが一方通行で終わらず同時にリスナーと一緒に熱量を上げて信頼関係を築くことも大事。われわれにおいては、最終的には心を込めて番組を作ることなんじゃないかなって思いますね」

名だたるパーソナリティたちからの信頼は厚い 撮影/fumufumu news 編集部

(取材・文/浦上優)


《PROFILE》
宮嵜守史(みやざき・もりふみ) 1976年生まれ。群馬県草津町出身。ラジオディレクター/プロデューサー。TBSグロウディア イベントラジオ事業本部 ラジオ制作部所属。TBSラジオ『JUNK』統括プロデューサー。担当番組『伊集院光 深夜の馬鹿力』『爆笑問題カーボーイ』『山里亮太の不毛な議論』『おぎやはぎのメガネびいき』『バナナマンのバナナムーンGOLD』『アルコ&ピース D.C.GARAGE』『ハライチのターン!』『マイナビLaughter Night』『俺達には土曜日しかない』。YouTubeチャンネル『矢作とアイクの英会話』『岩場の女』ディレクター。

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