近鉄新田辺駅のクリアファイルは電車の写真も一緒に

 関西の近鉄では、京都府京田辺市の中核駅である新田辺駅で時刻表をクリアファイル化して400円(税込)で販売。SNSでも面白いと話題のファイルには「しまかぜ」「あをによし」「あおぞら」など近鉄の人気列車の写真も載せ、京都方面と奈良方面の時刻表を収録した。近鉄は取材に対し、グッズ化の狙いをこう答えている。

「これまで駅独自で発売した商品といえば、地域のイベントとコラボした記念入場券のような地域のみなさんとともに作成し、お客様が喜ばれる商品を発売してきました。しかし、もっと多くのお客様に購入していただける“身近で実用的な商品を作ろう”との思いから、駅で掲出している時刻表の商品化に至りました」(近鉄広報部、以下同)

クリアファイル化された新田辺駅の時刻表 提供/近畿日本鉄道

 なぜ今回、時刻表をデザイン化しようとなったのか。

「ひとつは、ポケット時刻表の配布が廃止となり、時刻表を確認するのにインターネットが使えないご年配のお客様に役立てていただきたいという思いがありました。クリアファイルのサイズならデザインされた時刻表の文字が大きく見やすくなるからです

 また通勤・通学でご利用されるお客様がカバンの中に入れて、学校や会社でも使えるものとしてクリアファイルは最適だと考えております」

 ポケット時刻表もまた、かつては各駅で無料で配布されていて、スマホのない時代にはサラリーマン必携のアイテム。それも紙で無料配布ではコスパが悪いとどんどん姿を消し、鉄道各社のサイトやスマホアプリでデータで見るしかなくなってきた。有料のグッズとはいえ、「少しでも収益につながれば」という“企業努力”はSNSでも好評を得た。

 2月20日から発売し、近鉄によれば3月末時点で250枚ほどの売れ行き。次のダイヤ改定まで継続して発売していく意向で、名物として定着するかもしれない。