時刻表×日用品のコラボも考えられそう

 しかし、近鉄といえば東は名古屋から西は大阪・難波まで2府3県にわたる約500キロもの路線を展開している大私鉄。286駅もあるのに新田辺駅だけでは寂しいし、もっと他の駅での展開はないのだろうか?

「初めての試みでもあり、まずは駅長所在駅である新田辺駅での実施といたしました。お客さまのニーズに合わせ今後、他駅でも制作を検討してまいります」

 デザイン的なことを考えると、大和八木・大和西大寺・伊勢中川など路線が分岐する駅ではすべての方面の時刻を収録するのが難しい、といった事情もあるかもしれない。

 余談だが近鉄では昨年に時刻表のデザインを一新し、一般的なものに変わったが、それまでは珍しい縦書きのデザインで、しかも方面や種別(普通電車・急行電車など)ごとに欄を分けるなど独特なスタイルの時刻表を用いていた。せっかくなら旧タイプデザインのものもクリアファイル化してくれればよりマニア心もくすぐられるのだが……と考えてしまう。

 スマホに依存するとつい見過ごしてしまう、いつでもどこでも手に取るだけで電車の時刻をチェックできるありがたみが紙の時刻表にはある。クリアファイルにすることで鉄道グッズにも、日用品にもなる時刻表。他にマグネットや手帳など、実用化できそうなアイデアも思いつく。駅から姿を消しても、意外な形で生き残っていくかもしれない。

(取材・文/大宮高史)