若手のよさに目を向けて、コミュニケーションを図ろう

 管理職と同世代である筆者としては、これらのNGワードが、つい口に出してしまいそうなのも、致し方ないと思ってしまう。なぜなら、われわれはこれまでそうやってマネジメントを受けてきた世代でもあるからだ。

「NGワードに注意するよりも、まずは若手社員を理解するところから始めてみては」と、桜井さんはアドバイスする。

「いまの若い世代は、われわれ管理職とは価値観がまったく違うので、“彼らを理解して、彼らのよさをどう生かすか”という、マネジメントの本質に立ち戻って接するのがいちばんだと思います。

 それは、決してネガティブな話ばかりではなく、最初にお話ししたように、自分自身のキャリアを高めて成長したい気持ちは、われわれ40〜50代よりも、彼らのほうがはるかに強いので、“自分たちのキャリアにとっても、これはいい経験してるよ”と、彼らのよさを認めた、コミュニケーションをするだけで、全然違ってくると思います。

 彼らは納得したら、“こういう機会があるなら、ぜひやってみたい”と意欲を見せるはずなので。そうすれば、先輩たちの刺激にもなり、組織の活性化にもつながるはずです」

(取材・文/西谷忠和、編集/本間美帆)


【PROFILE】
桜井貴史(さくらい・たかふみ) 総合人材サービスを提供する、パーソルキャリア株式会社の転職サービス『doda(デューダ)』副編集長。2016年11月、パーソルキャリア株式会社に中途入社し、数々の部署の責任者を歴任した後、2023年4月、doda副編集長兼クライアントP&M本部プロダクト統括部エグゼクティブマネジャーに就任。年間約60万人以上の若者のキャリア支援に携わっており、Z世代の就職・転職動向やキャリア形成、企業の採用・育成手法に精通している。