目指せM-1決勝進出! 10年以上お笑い界にいると「もう先輩も後輩もない」

──この数年のM-1は出場者も激増して、準決勝は昔のM-1決勝と同じレベルなのではないかと感じますが、やはり目指すのは決勝に進むことですか?

:もちろん!

決勝には行きたいです。決勝に行ったら認知度が上がって、単独ライブの全国ツアーもさせてもらえると思うので。でも優勝までは考えてないかな。

:いや、でも実際にファイナリストになったら優勝したくなるんだろうな。決勝に進んだ芸人みんな、そう言いますもん。M-1は結成歴15年までしか出られないので、俺たちの場合は今年と来年、チャンスはあと2回ですね。いくら準決勝の常連でも決勝に行けなければ、何回戦で敗退しても同じですから。

──同期や後輩が決勝に進むと悔しさを感じますか?

:悔しさとうれしさ半々くらいかな。今“若手”って呼ばれている芸人って、高校を卒業してすぐお笑いの世界に入っている人は少ないんです。みんな30代半ばとか後半だし。

10年近く一緒にお笑いやってるんで、もう先輩も後輩もないっすよ。飲みに行くときも先輩におごりますよ。後輩にも金借りますよ。

上下関係が厳しい業界でありながらも、ダイタクのまわりでは、芸人同士の関係性がどんどんフラットになっているという 撮影/伊藤和幸

──(笑)。芸人仲間と飲みに行くことは多いのですか?

:最近は少ないけど、俺らは1年目くらいのとき、先輩やライブの構成作家さんに体育会系のノリで可愛がってもらっていて。

:もともと社交的な性格ではないんですけど、芸人仲間とかかわるときは先輩にしてもらったことを受け継いでいる感じがします。俺らの代で終わるかもしれないですけど。

──こうなりたいと思う芸人さんはいますか?

:昔から、特定の誰かが大好きっていうのはないんですよもちろんダウンタウンさんのコントは好きだし、ウッチャンナンチャンさんやとんねるずさんもよく見てましたけど、信者ってほどではなかった。笑いのジャンルもいろいろで、『志村けんのバカ殿様』(フジテレビ系)、吉本新喜劇、漫才、全部好きです。でも特定の芸人みたいになりたいとは思ったことがないです。

──逆に芸人になってから、有名人にダイタクのファンだと打ち明けられたことは?

:「この間飲んだ(男性)ミュージシャンがダイタクのこと好きって言ってたよ」とかはたまに言われるんですけど、女性からはないですね。

1回もない。駆け出しのアイドルのような子に「ダイタクさんが好き!」って言われたいんですけどね。

駆け出しだったらいいわ。売れてるアイドルに言われたい(笑)。

特定の芸人のみに憧れず、フラットにいろいろな芸人のネタを見て吸収してきたことで、多くの観客を惹きつける漫才が生み出せるようになったのかもしれない 撮影/伊藤和幸