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芸人の生き様は多種多様。お笑い劇場に通ってナマの漫才やコントを見ることが大好きなフリーライター・若林理央が、今後に期待の高まる若手芸人にインタビューをする連載です。生い立ちや知られざる裏話、お笑いに対する思いをたくさん語っていただきます。
読めば必ず気になる芸人ができるはず。ときに熱く、ときに笑いにあふれたエピソードが満載です!

バラエティ

ダイタク「口にしなくても当然ふたりで芸人になると思っていた」双子ならではの結成秘話、ネタの作り方がアツい

SNSでの感想
一卵性の双子だから? ダイタクだから? ふたりの話は独特のエピソードが満載だった 撮影/伊藤和幸
目次
  • ふたりの結婚願望は? 芸人には「当然のようになるものだと思っていた」
  • 口に出さずとも気持ちは共通。大さんからの電話で、ついに芸人の道へ
  • ネタのアイデアはおしゃべりの中から。“双子あるある”が周囲に驚かれることも
  • 「今はファンのみなさんと一緒に歳を重ねている感覚」中には“ガチ恋”の人も!?
  • 人の話を聞いて周囲に話すのが好き。読者に向けたナナメ上のメッセージとは

 本格派漫才師のダイタク。一卵性双生児の大さん(兄)、拓さん(弟)からなる、結成14年目のコンビです。インタビュー第2弾ではふたりの結婚観から始まり、言葉に出さずともお互い「芸人になるものだ」と子どものころから思っていたこと、おしゃべりによって気づく“双子ならではの出来事”がネタにつながっていること、ファンに対する思いなどを詳しく聞きました。

(お笑いライブでのモットーや上京1年目の“珍事件”、挫折経験と『M-1グランプリ』に対する思いなどについては、インタビュー第1弾で語ってもらいました→双子の漫才師・ダイタク「俺ら、人生設計がないんですよ」と語るふたりが目指すもの、味わった挫折とは

ふたりの結婚願望は? 芸人には「当然のようになるものだと思っていた」

──おふたりは1984年生まれで今年39歳。誕生日が来れば、“コンビ結成から39年”とも言えますね。

生まれたときから一緒なんで、逆に双子じゃない人生がどんな感じかわからないです。

──おふたりとも独身なのは、「この目標に達するまでは」という気持ちがあるからですか?

:いや、単純に俺ら、だらしないんでね(笑)。

:ただ、今のところは自分の中で楽しいと思えることを続けようと思ってるんで、そこで結婚が足かせになるとは考えてないです。さっき言ったみたいに、特に人生設計をしていないから(※インタビュー第1弾参照)、反対にアインシュタインの(河井)譲さんとかコットンの西村(真二)とか、「人生設計から逆算して今はこうしよう」と考えていそうな芸人はすごいですよね。

大さんは表情豊かに積極的に話してくれる。どこかクールな拓さんとの違いはここにもあるのではないかと感じた 撮影/伊藤和幸

──おふたりは考え方が非常に似ていますね。大さんが大学へ進学し、拓さんが就職してから一緒にお笑いの道に進むまでの4年間しか離れていないわけですが、子どものころから仲がよかったのですか?

:双子の兄弟だし、仲はよかったと思います。兄貴がいるんで3人で外で遊ぶか、家でテレビを見るかって感じでした。同世代の子は『週刊少年ジャンプ』とか、少年漫画誌を定期的に読んでたんですけど、俺らはそういうのなかったな。

:どうしてお笑い好きになったのかもわからないですね。気づいたら好きになってた。

ふたりで話して決めたというわけじゃないけど、小4のころから“自分たちは芸人になるものだ”と考えていました。大人になったら酒を飲めるとか結婚して子どもを持つものだとかっていうのと同じ感覚で、当然のように。テレビをよく見ていた影響もあるかもしれないです。

:うん。芸人になる方法はまったくわからないけど、なんとなくそうなるものだと思ってました。

─―話し合っていないのに同じ気持ちでいたということですか?

:そうですね。ただ、小学5、6年生のときにふと思いついて、ふたりでネタを作って漫才をして、2つ上の兄貴に見せたこともあります。中学生になると、男の兄弟同士で夢を語り合うって年齢でもなくなってきて、おそらくお互いお笑いをやりたい気持ちはあったけど、漫才ごっこはしなくなりました。

口に出さずとも気持ちは共通。大さんからの電話で、ついに芸人の道へ

──高校卒業後、大さんは大学進学、拓さんは就職と道が分かれましたが、芸人になる夢は途切れなかったのですか?

その気持ちが途切れたことは1回もないです。さっき俺も拓も言ったように、当然のごとく“なるもんだ”と思っていたものにならないって、すごく不自然じゃないですか。ただ、高校卒業後に拓が就職したとき「もしかしたら、このまま芸人にならないのかな。俺はなるつもりだったのに」ってちょっと考えましたけど、たぶん俺がそんな気持ちでいるってことは、拓も同じことを思っているんですよ。

──離れている4年間、お互いにそれがわかっていたということでしょうか。

:そうっすね。おふくろがね、「大が卒業も近いのに就活していないから、あんたからも何か言って」ってお願いしてきたんですけど、「そりゃ(お笑いやるんだから)就活しないだろう」って、わかっていました。振り返ると、大が大学を卒業する前の年くらいから、おれも働きながら身辺整理をしていたかもしれないです。

 実際に芸人になるきっかけは、その後の大からの電話でしたけど、大がかけてこなくてもいつか仕事をやめて、どちらともなく誘い合って、芸人になっていたと思いますね。

お笑い芸人は「なりたいもの」じゃなくて、自然と「なるもの」。ふたりのその気持ちは、子どものころからデビューするまで途切れたことがない 撮影/伊藤和幸

──大さんは電話でどのような話をしたのですか?

:芸人になるなら俺が大学を卒業するタイミングしかないから、拓に「もう卒業するから、(家族に打ち明けるために拓も)熊本に帰ってこいよ」と電話しました。芸人になろうとは言ってないです。

 子どものときは「自分で決めなくてもなれる」と、ふわっとした感じだったんですけど、大学を卒業する22歳のときに「最終的には自分たちで決めなきゃいけないんだ」ってようやく気づいたんですよ。

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