節約は自分を守る手段でもある

――『大名倒産』は小四郎が背負う藩の借金100億円(!)返済のため、「みんなで節約を頑張ろう」という物語ですが、松山さんはこのストーリーにどんな感想を持たれましたか。

 節約って一人だったらなんとかできると思うんですけど、ここまで大きなコミュニティになってしまうとすごく難しいなと思いました。今作のフライヤーにも「節約は、戦でござります!」と書いてありますが、確かにそうだなと思いますし、節約することって、結局は自分を守るための手段でもあると思うんですよね。

 きっと節約は誰もがしなければいけないことで、そのためにはいろいろな人とのつながりを駆使しなければいけないし、人とのつながりみたいなものを作る努力をしなきゃいけない。それって、自分を幸せにするためにいろんな人とつながっていくことになると思うんです。自分とつながった人が幸せにならなければ、結局自分も幸せになれないじゃないですか。映画で小四郎がやった、またはやろうとしている「ビジネス」の部分では、本当に多くの人を救いながらやっているので、とても理想的なビジネス体制だなと思いました。

松山ケンイチさん 撮影/篠塚ようこ

――最初はピンチの連続でしたが、「最後はみんなで幸せになろう」という思いが込められていましたよね。

 これだけ大きなコミュニティになってくると、みんなで共有して、みんなでやっていかないといけないものですからね。そのためにも、みんながハッピーになれるような仕組み作りが大事になってくると思うんです。

――その考え方は、今の社会にも通じますね。

 本当に。日本もそうなってくれればいいなと思います。

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 後編では、最近ハマっているアニメや農作物を育てる面白さと難しさ、日本の伝統技術の存続についてなど、いろいろなお話を伺います!

(取材・文/根津香菜子、編集/福アニー、撮影/篠塚ようこ、ヘアメイク/勇見勝彦(THYMON Inc.)、スタイリスト/五十嵐堂寿)

●Profile
松山ケンイチ(まつやま・けんいち)
1985年3月5日生まれ、青森県出身。2002年に俳優デビュー。その後、NHK大河ドラマ『平清盛』で主人公・平清盛を演じるなど、多くの作品に出演。2023年はNHK大河ドラマ『どうする家康』、TBS系金曜ドラマ『100万回 言えばよかった』に出演。3月には主演映画『ロストケア』が公開。
また、2022年3月に捨てられていく「資源」をアップサイクルするプロジェクト「momiji」が始動。2023年6月15日(木)~28日(水)まで銀座和光本店4階にて『モミジ アーティストコレクション』を開催。

●Information
映画『大名倒産』
監督:前田哲
脚本:丑尾健太郎、稲葉一広
出演:神木隆之介、杉咲花、松山ケンイチ、小日向文世、小手伸也、桜田通、小日向文世、宮﨑あおい、浅野忠信、佐藤浩市ら。
公開日:2023年6月23日(金)
(C)2023映画「大名倒産」製作委員会

作品HP: https://movies.shochiku.co.jp/daimyo-tosan/