農作物も人も「生き物」として同じ

――今のお話を聞いただけで、めちゃくちゃ気になりました(笑)。ところで、今回演じられた新次郎は、天才的な庭造りの才能を持つという役どころでした。松山さんも農業をされていますが、作物を作ることや土と触れ合うことで、どんな気づきがありましたか。

 森を見ても生存競争は行われているし、土と植物の関係でも、生き物として人と同じなんだなと思います。自分が悩んでいることや思っていることと、植物や農作物、土を照らし合わせてみると、だいたい答えが出てくるんですよ。

 そこにもう何十年も携わって向き合ってきた人たちは、僕がいろいろな質問をしても全部答えてくれるので、なんだか人生相談みたいになっているんです。自然と向き合っている人たちは無理していない感じがして、心身ともに健康だなと一緒にいて感じます。そういう方々といるといろいろな気づきがあるし助けにもなっているので、自分にとっても必要なものになっていますね。

――「先人たちの教え」ですね。

 みなさんの持っている知恵や経験はとても価値のあるものだし、普通じゃ聞けない話じゃないですか。それを楽しそうに教えてくれるので、こんなにありがたいことはないなと思うし、「自分はこの人たちに何を返せるんだろうな」ということはずっと考えています。返せるものがある人って、やっぱり強いですよね。自分はまだまだですが、人やいろいろな物事に対して、何かお返しできる人になりたいなと思います。