余ったものを無駄にせず、どう活用するかも学んでいきたい

――松山さんのInstagramをよく拝見しているのですが、先日はホーリーバジルやトマトの苗をひとつずつ丁寧に入れ替えていらっしゃいましたね。作物を育てるには、やらなければいけないことがたくさんあると思いますが、どの作業が特に楽しいですか。

 どの作業も面白いですよ。ただ、収穫時期になると結構大変なこともあって、例えばイチゴは旬の時期になると実が一気にブワーっとなるんですよ。放っておくと虫に食われたりカラスが来たりするので、早く収穫したいんです。なので、楽しいというよりもう必死です(笑)。

 それに、たくさん採れたイチゴを新鮮なうちに全部食べきるのは難しいじゃないですか。誰かにおすそ分けしたり、ジャムにしたりすることもありますが、僕が育てているのはブランドイチゴみたいに甘さを追求しているような品種じゃなく、ほったらかしにしていたら自然にできているようなものなので、余ったものをどうするのかっていうことも考えなきゃいけないんです。今、ちょうどそういう時期になってくるので、覚悟が必要なんですよ。

松山ケンイチさん 撮影/篠塚ようこ

――確かに、鮮度のいいうちは生食するとして、余ったものをどう美味しくいただくかは、品物にもよりますね。

 まだ去年の収穫分も残っているんですけど、残っているということは使いきれていないってことなんですよね。それで結局廃棄せざるをえなかったり、保存するにも電気代がかかるので、どうやったらこのイチゴを無駄にすることなく活かすことができるのか、その時期のものはその時期で使いきることも考えなければいけないなと思います。

――私の親も田舎で畑をやっているのですが、夏ごろになるとキュウリがどんどんできまして。漬物にもしますがそれも限界があって……。キュウリ、どうしたらいいでしょうか。

 キュウリはめっちゃ難しいですね。生だとすぐに腐るじゃないですか。だから僕も加工ということをいつも念頭に置きながらやっています。作ったものは最後まで上手に活用するところまで考えないといけないですね。