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若い世代や海外からも注目されている昭和ポップス。本連載では、'80年代をメインに活動したアイドルの『Spotify』における再生回数と当時のCD売り上げをランキング化! データから過去・現在のヒット曲を見つめ、さらに、今後伸びそうな“未来のヒット曲”へとつながるような考察を、歌い手本人や関係者への取材を交えながら展開します♪

音楽

白井貴子が精を出す環境保全活動は曲作りやファンにも好影響、30年以上も前に始めたワケと活動がつないだ“良縁”

SNSでの感想
白井貴子さん。取材を通し、その前向きさに背中を押してもらいました 撮影/山田智絵
目次
  • チェルノブイリ原発事故や英国生活をきっかけに環境問題を自分ごとと捉え始めた
  • 『ウルルン滞在記』『ひるどき日本列島』への出演を機に“ご縁”がつながった
  • 「自然の中で自分を見つめ心を解放してもらいたい」とビーチクリーン活動に励む
  • Spitify人気第2位「ピローケースにさようなら」は海外で大人気! 本人の感想は
What's「未来へつなぐ昭和ポップス」?

 今、若い世代からも、また海外からも熱い注目を浴びている昭和ポップス。昨今では、音楽を聴く手段としてサブスクリプションサービス(以下「サブスク」)がメインで使われているが、必ずしも当時ヒットした楽曲だけが大量に再生されているわけではなく、配信を通して新たなヒットが生まれていることも少なくない。

 そこで、本企画では1970年、80年代をメインに活動した歌手の『Spotify』(2023年6月時点で5億1500万人超の月間アクティブユーザーを抱える、世界最大手の音楽ストリーミングサービス)における楽曲ごとの再生回数をランキング化。当時のCD売り上げランキングと比べながら過去・現在のヒット曲を見つめ、さらに、今後伸びそうな“未来のヒット曲”へとつながるような考察を、本人または昭和ポップス関係者への取材を交えながら進めていく。

 今回も、シンガーソングライターの白井貴子に注目する。インタビュー第1弾では、自身初の著書となる『ありがとう Mama』(カラーフィールド出版刊)内でメインテーマとなっている在宅介護について語ってもらったが、今回は、彼女のライフワークでもある環境保全運動について、さらに第2弾の後半にして、ようやくSpotify人気曲に触れていこうと思う。

  その前に、彼女の誕生日を見たところ、1月19日(1959年生まれ)ということは……。

そう、ユーミン(松任谷由実、1954年生まれ)と同じなんです。以前ユーミンにお会いしたとき、“同じ誕生日よね!”と言ってくれました。そして、ふた言目に“(この誕生日ということは)あなた、二重人格でしょ?(笑)”って。ユーミンもそう感じているんでしょうか!? でも確かにそうかも! 二面性がある。ビートルズの影響だなと分析しているんですが、優しい曲からハードな曲、クラシカルな曲といろんなスタイルの曲を作っちゃうんですよね~

チェルノブイリ原発事故や英国生活をきっかけに環境問題を自分ごとと捉え始めた

 さて、ここからは白井が音楽活動と同じく力を注いでいる環境保全活動について語ってもらおう。近年、SDGsをスローガンに、自然との共生が声高に叫ばれているが、彼女はこんなブームになる30年以上も前からさまざまな活動に取り組んでいるのだ。まずは、そのきっかけを尋ねてみた。

「私はもともとビートルズが大好きで、例えば、ポール・マッカートニーが農場をやっていたり、彼の奥さんだったリンダ・マッカートニーがベジタリアンだったり、ジョン・レノンが家族を大切にしていてそのリアルな生活から歌が生まれたり、ジョージ・ハリスンがスピリチュアルな活動をしたり……。それを10代のころから見ていて自然と憧れを抱き、そんな彼らを尊敬していました。なのに、なぜ日本のアーティストの多くはやらないんだろう? って疑問だったんです。

 また、1986年、チェルノブイリ原発事故があったのも大きな要因。発生から2年後に渡英した際、経由したモスクワの大きな空港が真っ暗だったんです。事故の影響かと思うとゾッとしました。​そしてロンドンでは、当時出始めたオーガニックのブランドにハマって、自分の暮らしから健康にしていきたいと思いました。なにしろ私は22歳のデビュー以来、昼夜問わずの活動、睡眠を割いての7年間の過酷な毎日にすっかり疲れ果て、心も体もボロボロになっていました。20代ももうすぐ終わり、“もう自分は若くない”。鏡の前の自分を隠すように、楽屋でファンデーションを塗ってでも頑張る日々に限界を感じました。だからロンドンですべてを解放して、太陽の下で堂々とスッピンでも生きられる自分になりたかったんです! そんな経験を通して、オーガニックや環境保全への興味が強くなっていきました

『ウルルン滞在記』『ひるどき日本列島』への出演を機に“ご縁”がつながった

 白井は'90年に帰国後、日本での音楽活動を再開し、さらには'96年から、NHKで正午過ぎに放送されていた紀行番組『ひるどき日本列島』のレポーターにも抜てきされた。

日本に帰ってきたとき、音楽番組が一気に少なくなり、大ヒット曲の歌い手しかテレビに出られないという状況に変わっていました。だから音楽に限らず、自分の生き方を伝えられるのであればどんな番組でもありがたいと思っていたので、番組出演のオファーをいただいたときはとてもうれしかったですね。

 このころは、同じ事務所のシャ乱Qと、どちらが有線放送のリクエストで1位になるかって、机を並べて電話をかけまくっていました(笑)。でも、彼らは大ヒットして、私はというと、そこそこ止まりで。“また私は80年代と同じヒットシステムに乗ろうとしているのか!?”と疑問を持ち、長年お世話になった大手事務所から独立させてもらいました。

 そのころ、『世界ウルルン滞在記』(TBS系)でアフリカのセネガルに滞在する機会があって、まさに「音楽の原点」に触れられたことも大きな出来事でした。それを『ひるどき日本列島』のプロデューサーの方が見てくれていたんだと思います。あれから20数年、海で山で歌っていた番組のテーマソング『元気にな〜れ!』は、今では全国高等学校女子硬式野球選手権の“夏の大会”のテーマソングとして女子球児を応援しています。素晴らしいご縁の賜物です」

 さらに、その『ひるどき日本列島』のリポーター出演から『南アルプスの天然水』のCMにつながり、そのキャスティング担当の推薦により、今度は『花王「弱酸性ビオレ」』のCMに出演。あのアニメーションのキャラクターにしては、珍しいほど語り口が自然な“ビオレママ”は、白井貴子だったのだ!

「CMが始まった当初はたくさんのビオレママがいましたが、最近は“ゆるキャラ”ビオレママも登場! あけみママの声担当、20年です」

「ビオレママは峯村リエさんなど、実力派のメンバーがそろっていましたね〜!」と懐かしそうに語る 撮影/山田智絵
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